新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、診療所・病院の経営に大きな影響を与えている。今回、ケアネットでは診療所で働く会員医師に対し、2020年4月の外来患者数・経営状態についてアンケート調査を行った。アンケートは2020年5月21(木)~25日(月)に実施し、1,000名から回答を得た。
調査は、全国のケアネット会員のうち診療所(病床数0床)で勤務する30代以上の医師を対象にインターネット上で実施。回答者の年代は50代が36.7%と最も多く、60代が32.2%、40代が17.0%、70代以上が8.1%、30代が6%だった。診療科は内科が47.5%と半数近くを占め、続いて小児科が6.9%。整形外科・皮膚科が各4.7%、循環器内科・精神科が各4.6%、などとなっている。
新型コロナの影響による患者減は内科と比べて小児科が大きく皮膚科が小さい
「4月平日の外来患者数」を前年同月比で尋ねた設問では、「5~25%減った」という回答が41.2%と最多となり、「25~50%減った」が28.4%、「50%以上減った」が9.7%だった。「減った」という回答を合計すると8割に達し、新型コロナウイルス感染流行が診療所に与えた影響の大きさを確認できる。一方、新型コロナの影響による患者の減少幅には診療科ごとの違いもあり、内科と比較した場合、小児科・耳鼻咽喉科では減少幅が大きい一方で、整形外科・皮膚科・精神科は減少幅が小さい傾向が見られた。
「現時点での経営上の一番の問題」について自由回答で尋ねた設問では、「フェイスシールドなど注文していますが、1ヵ月以上たっても届かない(東京都・内科)」といった依然として続く新型コロナの影響による資材不足や「患者の受診控えによる症状の悪化が心配(京都府・消化器内科)」「隔離場所が確保できない(東京都・糖尿病・代謝・内分泌内科)」といった診療面の不安を訴える声が上がった。自由回答でも最多だったのは「外来患者数が元に戻らない(神奈川県・整形外科)」「外来患者数減少、処方日数の長期化を戻せない(広島県・内科)」といった新型コロナの影響による患者減に関する回答だ。中には「資金ショートの恐れあり、閉院検討(東京都・内科)」という深刻な内容もあった。
アンケートでは、保険診療収入の増減状況や給付金・助成金制度の利用状況についても聞いている。
アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
新型コロナ影響で8割の診療所が患者&収入減!対策どうする?-会員医師アンケート
(ケアネット 杉崎 真名)