双極性障害の薬理学的マネジメント~日本の専門医のコンセンサス

慶應義塾大学の櫻井 準氏らは、双極I型障害および双極II型障害の精神薬理学的治療に関する日本臨床精神神経薬理学会が認定する専門医によるコンセンサスガイドラインを作成することを目的に本研究を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2020年6月17日号の報告。
日本臨床精神神経薬理学会が認定する専門医を対象に、双極性障害治療における19の臨床状況について、9段階のリッカート尺度(同意しない「1」~同意する「9」)を用いて、治療オプションの評価を依頼した。119件の回答が得られた。治療オプションを、1次、2次、3次治療に分類した。
主な結果は以下のとおり。
・双極I型障害の治療では、以下の第1選択として、リチウム単剤療法が推奨された。
●躁病エピソード(平均±標準偏差:7.0±2.2)
●うつ病エピソード(7.1±2.0)
●維持期(7.8±1.8)
・リチウムと非定型抗精神病薬の併用療法は、以下の場合に推奨された。
●躁病エピソード(7.7±1.7)
●うつ病エピソード(7.1±2.0)
●混合性の特徴を伴わない(6.9±2.2)
●維持期(6.9±2.1)
・双極II型障害の治療では、以下の第1選択として、リチウム単剤療法が推奨された。
●躁病エピソード(平均±標準偏差:7.3±2.2)
●うつ病エピソード(7.0±2.2)
●維持期(7.3±2.3)
・リチウムと非定型抗精神病薬の併用療法は、躁病エピソード(6.9±2.4)に推奨された。
・抗精神病薬単独療法または抗うつ薬治療は、いずれの場合においても第1選択として推奨されなかった。
著者らは「本知見は、現在のエビデンスを反映しており、双極性障害に対するリチウム治療のエキスパートコンセンサスが得られた。また、双極性障害に対する抗精神病薬および抗うつ薬の使用では、有効性と忍容性を考慮する必要がある」としている。
(鷹野 敦夫)
関連記事

うつ病の薬理学的マネジメント~日本の専門医のコンセンサス
医療一般 日本発エビデンス(2020/04/27)

日本人双極性障害患者のリチウム治療反応予測因子:獨協医大
医療一般 日本発エビデンス(2017/07/27)

双極性障害、リチウムは最良の選択か
医療一般(2017/06/01)
[ 最新ニュース ]

FDAへの医療機器メーカーの有害事象報告、3分の1が遅延/BMJ(2025/04/04)

フィネレノン、2型DMを有するHFmrEF/HFpEFにも有効(FINEARTS-HFサブ解析)/日本循環器学会(2025/04/04)

急性GVHDとICANSに対する新たな診断法の開発/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/04)

市中肺炎へのセフトリアキソン、1g1日2回vs.2g1日1回~日本の前向きコホート(2025/04/04)

抗精神病薬の血中濃度、年齢や性別の影響が最も大きい薬剤は(2025/04/04)

遺伝性消化管腫瘍診療に対する多施設ネットワークの試み/日本臨床腫瘍学会(2025/04/04)

幹細胞治療が角膜の不可逆的な損傷を修復(2025/04/04)

普通車と軽自動車、どちらが安全?(2025/04/04)
[ あわせて読みたい ]
~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15)
Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07)
薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30)
全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31)
ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15)
診療よろず相談TV(2013/10/25)
在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)
「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)
柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)
松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)