アムジェンは、2021年1月29日、126例のKRASG12C変異を有する進行非小細胞肺がん(NSCLC)の患者を対象に治験薬sotorasibを評価した臨床試験であるCodeBreaK100の第II相コホートから得られた結果を発表した。この結果は、国際肺癌学会(IASLC)2020 世界肺癌会議(WCLC)のPresidential Symposiumで発表され、中央値で1年超の追跡評価期間を有する、NSCLCを対象として完遂した主要な第II相試験の初めての結果である。
Sotorasibの奏効率(ORR)および病勢コントロール率(DCR)は、それぞれ37.1%と80.6%であり、奏効期間の中央値は10ヵ月であった(データカットオフ2020年12月1日、追跡期間中央値12.2ヵ月)。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は6.8ヵ月で、第I相試験の結果と一致している。80%を超える患者が病勢コントロールを達成し、そのうち3例が完全奏効、43例が部分奏効を示した。全奏効例(46例)における最良腫瘍縮小率の中央値は60%、奏効までの期間中央値は1.4ヵ月であった。探索的解析では、PD-L1発現レベルが陰性または低値の患者およびSTK11変異を有する患者を含むさまざまなバイオマーカーのサブグループで、sotorasibによる腫瘍縮小効果が認められた。
Sotorasibのベネフィット・リスクプロファイルは良好であり、治療関連有害事象のほとんどは軽度から中等度(Grade1または2)で、治験薬と関連のある死亡は認められなかった。頻度の高い治療関連有害事象(全グレード)は、下痢(31.0%)、悪心(19.0%)、ALT増加(15.1%)およびAST増加(15.1%)で、投与中止に至った治療関連有害事象の発現は7.1%であった。
KRASG12CはNSCLCにおいて高い頻度で認められるドライバー変異の一つ。米国においては、約13%のNSCLC患者がKRASG12C変異を有し、毎年約25,000名の新規患者がKRASG12C変異を有するNSCLCの診断を受けている。
(ケアネット 細田 雅之)