ポラツズマブ べドチン、再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する承認取得/中外

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/01

 

 中外製薬は、抗CD79bを標的とする抗体薬物複合体であるポラツズマブ べドチン(商品名:ポライビー)が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する承認を得たことを発表した。今回の承認は、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発または難治性DLBCL患者の初回治療として、ポラツズマブ べドチンとベンダムスチン+リツキシマブ(BR療法)との併用療法としてのものとなる。DLBCLは悪性リンパ腫の一種で、リンパ球の中のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫としては最も発生頻度が高い。

 国内の承認は、海外第Ib/II相多施設共同臨床試験(GO29365試験)、および国内第II相多施設共同単群臨床試験(JO40762/P-DRIVE試験)などの結果に基づいたもの。

 GO29365試験は、1つ以上のレジメンで治療後の再発または難治性DLBCL患者80例を対象とし、患者をポラツズマブ+BR療法群(P+BR療法群)またはBR療法群に1:1に割り付け、1サイクル21日として6サイクル投与した。主要評価項目である完全奏効率(CRR)は、BR群では17.5%(95%信頼区間 [CI]):7.3~32.8%)だったのに対し、P+BR療法群では40.0%(95%CI: 24.9~56.7%)だった。

 国内のP-DRIVE試験では、GO29365試験と同条件のDLBCL患者35例を対象にP+BR療法の有用性を検討し、P+BR療法群のCRRは34.3%(CI:19.1~52.2%)となり、主要評価項目を達成した。

 P-DRIVE試験で報告された有害事象はGO29365試験と差がなく、主なものは貧血37.1%(13/35例)、悪心31.4%(11/35例)、血小板減少症及び好中球減少症が各25.7%(9/35例)、便秘、血小板数減少及び好中球数減少が各22.9%(8/35例)、倦怠感及び食欲減退が各20.0%(7/35例)だった。

(ケアネット 杉崎 真名)