片頭痛は、最も一般的な神経疾患の1つである。片頭痛の病態生理には、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が重要な役割を果たしている。中国・蘇州大学附属第一医院のZeya Yan氏らは、片頭痛に対するCGRP関連モノクローナル抗体eptinezumabの有効性、安全性をシステマティックに評価するため、メタ解析を実施した。The Journal of Headache and Pain誌2021年3月6日号の報告。
Medline、Embase、Cochrane Library、Clinicaltrials.govより、2020年9月までに公表された片頭痛に対するeptinezumabのプラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を検索した。データの評価には、Review Manager 5.3ソフトウエアを用いた。リスク比(RR)および標準平均差(SMD)は、ランダム効果モデルによる2分アウトカムおよび連続アウトカムを用いてそれぞれ分析した。
主な結果は以下のとおり。
・4つのRCTより、2,739例をメタ解析に含めた。
・有効性の主要評価項目は、平均月間片頭痛日数(MMD)のベースラインから12週目までの変化とした。
・eptinezumab(30mg、100mg、300mg)は、プラセボと比較し、12週目のMMDの有意な減少が認められた(各々、p=0.0001、p<0.00001、p<0.00001)。とくに300mgでその効果は高かった。
・安全性の評価では、4つのRCTでの治療中に発現した有害事象(TEAE)を比較した。
・TEAEは、eptinezumabとプラセボとの間で統計学的に有意な差は認められなかった。
著者らは「片頭痛に対するeptinezumabは、有効かつ安全な治療薬であり、とくに300mgでの有効性が高かった」としている。
(鷹野 敦夫)