片頭痛に対するeptinezumabの安全性・忍容性

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/04/28

 

 ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体の1つであるeptinezumabは、片頭痛患者を対象とした5つの大規模臨床試験により評価が行われている。米国・StudyMetrix ResearchのTimothy R. Smith氏らは、これらの研究結果を統合分析し、eptinezumabの包括的な安全性および忍容性を評価した。The Journal of Headache and Pain誌2021年3月30日号の報告。

 4つのランダム化二重盲検プラセボ対照試験のデータおよび1つのオープンラベル試験における最初の1年間のデータをプールし、分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・プールされた対象は、成人片頭痛患者2,867例。eptinezumab群2,076例(投与回数:4,797回)、プラセボ群791例(投与回数:1,675回)。
・1回以上の治療に起因する有害事象(TEAE)が確認された患者の割合は、eptinezumab群で54.8%(1,137例)、プラセボ群で52.3%(414例)であり、eptinezumabの各用量(10~1,000mg)間でその割合は類似していた。
・TEAEの重症度は、ほとんどが軽度または中等度であり、治験責任医師は、治療薬とは無関係であると判断していた。
・注射部位の有害事象は、eptinezumab群では27例(1.3%)で30回認められ、プラセボ群では7例(0.9%)で7回認められた。
・注射部位の有害事象による治療中断は、eptinezumab群で19例(0.9%)、プラセボ群で
5例(0.6%)に認められた。
・eptinezumab 300mg群において、鼻咽頭炎の発生率が2%以上認められており、プラセボ群と比較し、2%ポイント以上高い発生率であった。しかし、多くの患者(eptinezumab群:140例中139例、プラセボ群:41例中40例)において、その発生は治療とは無関係であると考えられていた。
・過敏症は、eptinezumab群の23例(1.1%)で認められたが、プラセボ群では認められなかった。
・蕁麻疹、紅潮・ほてり、発疹、そう痒感などの過敏症を示す可能性のあるTEAEを考慮した場合、2つのプラセボ対照第III相試験におけるeptinezumab 100mg群および300mg群の過敏症発生率は、2%以上であった。この発生率は、いずれかの群において、プラセボ群と比較し、2%ポイント以上高かった。
・ほとんどの過敏症は、深刻ではなく、通常1日以内に標準的な治療または治療なしで改善した。

 著者らは「成人片頭痛患者に対する12週ごとのeptinezumabによる静脈内投与は、良好な安全性と忍容性プロファイルを有していることが確認された」としている。

(鷹野 敦夫)