ヤンセンファーマは、2021年5月19日、抗CD38モノクローナル抗体ダラツムマブとボルヒアルロニダーゼ アルファを配合した皮下投与製剤ダラキューロ配合皮下注(以下、ダラキューロ)の販売を開始した。ダラキューロは、本年3月23日に多発性骨髄腫を効能又は効果として製造販売承認を取得している。
ダラツムマブの点滴静注製剤(以下、ダラツムマブ IV)は、多発性骨髄腫に対して、複数の治療レジメンで承認されており、国内外の各種ガイドラインでも推奨されている。一方で、infusion reaction(急性輸液反応)を予防するため、投与に際しては500~1,000mlの輸液が必要となり、約3〜7時間の投与時間を要する。今回製造販売承認を取得したダラキューロでは、皮下投与に要する時間が約3〜5分へと短縮され、また固定用量となるため薬剤調製手順が簡略化されることにより、医療従事者および患者の負担が軽減されることが期待されている。
ダラキューロについては、日本人を含む再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした国際共同第III相試験(MMY3012試験[COLUMBA試験])において、ダラツムマブ IVに対する非劣性が単剤療法にて示され、安全性が確認されている。また日本人集団における薬物動態および有効性は全体集団と一貫しており、安全性に明らかな差異は認められなかった。
ダラキューロ配合皮下注製品概要
・製品名:ダラキューロ配合皮下注
・一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
・効能又は効果:多発性骨髄腫
・用法及び用量:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1,800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30,000単位(2,000単位/mL))を、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、以下のA法又はB法の投与間隔で皮下投与する。
A法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
B法:1週間間隔、3週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
・製造販売承認日:2021年3月23日
・薬価基準収載日:2021年5月19日
・発売日:2021年5月19日
・薬価:15mL 1瓶 434,209円
・製造販売元:ヤンセンファーマ株式会社
(ケアネット 細田 雅之)