新型コロナワクチン、接種会場での各病院の工夫とは?

提供元:ケアネット

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公開日:2021/05/28

 

 メディカル・データ・ビジョン株式会社は自社の病院向け経営支援システムを導入している病院に対して、接種会場での工夫点について緊急調査を実施。その結果、病院ごとに予診票の事前記入の促し、院内導線やスペース確保などを工夫していることが明らかになった(5月20日付プレスリリース)。

 同社はこの調査を5月14日~19日の期間にウェブで実施、21病院から回答を得た。ワクチン接種体制で困っている点や課題に感じた点を聞いた(複数回答可)ところ、予約管理(66.7%)が最も多く、次いで接種人材の確保・役割分担(57.1%)、院内での接種会場の確保(52.4%)、円滑に接種するための動線(47.6%)、受付・問診(42.9%)だった。

 同社の調査で明らかになった取り組みの一例を以下に紹介する。

会場/動線

・午後休診の診療科や院外の関連施設を活用した
・接種後の待機場所にはリラックスできるビデオや音楽を流した
・予約時間まで車で待機してもらい、混雑を防いだ
・待機場所は、必ず医療者が近くにいる場所にした
・接種の流れや接種後の注意点などがわかるように映像を作成し、院内各所のモニターに映し出し、受付待ち、問診待ち、接種待ちしている間に見てもらえるようにした
・受付後は接種会場の座席に着座のまま、医師・看護師が巡回し予診~接種~待機まで行っている。接種者が移動・待機を繰り返すことをなくし、会場をコンパクトにした

受付/問診

・予約制のため、事前に予診票を配り書いてもらった
・当日受付票を発行し、接種時間・待機時間を記入できるようにした
・役割ごとに、受付を3つに分けた(1:予約確認受付…指定された日時に来院しているかの確認/必要な持ち物の確認、2:接種受付…本人確認/予診票の記載確認、3)接種後受付…接種済証の記載/発行)

副反応への対応

・職員向けの接種で、副反応が出る可能性を考慮し、金曜日により多くの接種枠を設けた
・(ワクチン接種で通常業務が滞らないよう、)同日に同部署から何人も接種しないようにした
・外来看護師は極力、金/土曜日に接種するようにし、翌日が休日となるようにした
・休みがとりやすいように副反応でつらい時は、特別休暇扱いとした

病院関係者の声

・接種をしていない職員(医師・看護師)が高齢者への接種を行うケースが発生している。こういったことに国・都道府県・市町村・医師会は目を向けるべきだと思う
・職員向けの接種で、2回目の接種後はなるべく2日間休めるようにしたが、あまりに副反応が出たため、看護職員が手薄になった
・キャンセル時の代替接種者は確保していたが、そもそもリソースを最小限にしているため、忘れているだけなのかキャンセルなのか、確認自体に労力を要した。
・予約管理については自院で受け付けず、接種者には自治体のシステムをご利用いただいているが、予約情報が断片的(カナ氏名なし、性別なし、住所なし)で困っている。またシステムが不安定で、電話問合せが多く現場が疲弊している

(ケアネット 土井 舞子)

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