AZ社・モデルナ社の新型コロナワクチン、特例承認を取得

提供元:ケアネット

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公開日:2021/05/25

 

 アストラゼネカ社は5月21日、コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン「バキスゼブリア筋注」の製造販売について、日本国内における特例承認を取得したと発表した。SARS-CoV-2 ウイルスによる感染症の予防を適応とし、18 歳以上を対象とする。

 英国・オックスフォード大学が主導する英国・ブラジル・南アフリカにおける第III相臨床試験の有効性および安全性に関する良好なデータと、国内第I/II相臨床試験結果を基に厚生労働省が同日、承認した。

 PMDAは「バキスゼブリア筋注」について、成人には0.5mLを4~12週間の間隔をおいて2回筋肉内に接種することと定められており、最大の効果を得るためには8週以上の間隔をおいて接種することが望ましいと注意喚起している。この用法・用量は、臨床試験において良好な忍容性を示し、2回目接種後15日以降の症候性COVID-19を予防。COVID-19関連した重症例及び入院例も見られなかったという。

 日本における同ワクチンはすでに生産を開始しており、数週間以内に出荷を開始する予定だ。

 一方、米国・モデルナ社製のコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」についても、同日に特例承認された。2021年前半より日本国内においてモデルナ筋注5,000万回接種分を供給することを目的としたモデルナ社および厚労省との契約に基づき、武田薬品工業が申請していた。

 同社は、日本において「モデルナ筋注」を28日間の間隔をあけて2回接種した際の、安全性および免疫原性の評価を行うプラセボ対照臨床第I/II相試験を実施。20歳以上の日本人成人200例を被験者として登録した。本試験の結果では、28日間隔で同ワクチン0.5mLを2回接種した被験者の100%において、2回目接種から28日後に結合抗体と中和抗体の上昇が確認された。重大な安全性の懸念は報告されず、忍容性はおおむね良好で、これまでに公表されたモデルナ社の臨床第III相COVE試験の免疫反応と同様の結果だった。

 武田薬品工業では、国内における供給を速やかに開始する予定。

 両ワクチンの概要および添付文書は、厚生労働省のホームページに掲載されている。

(ケアネット 鄭 優子)