小児で新型コロナが重症化する3つの因子~日本含む観察研究

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/23

 

 日本、中国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、パキスタンのアジア7ヵ国における小児の新型コロナウイルス感染例の観察研究から、小児における重症化の危険因子として、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が特定された。シンガポール・KK Women's and Children's HospitalのJudith Ju Ming Wong氏らが報告した。The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene誌オンライン版2021年6月15日号に掲載。

 7ヵ国の研究者グループは、小児のCOVID-19重症化の危険因子を特定するため、Pediatric Acute and Critical Care COVID-19 Registry of Asia(PACCOVRA)にデータ提供している病院の小児COVID-19の観察研究を実施した。主要アウトカムは、世界保健機関(WHO)の定義によるCOVID-19の重症度(軽症、中等症、重症、重篤)とした。単変量および多変量ロジスティック回帰モデルを使用し、重症/重篤なCOVID-19の危険因子を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・7ヵ国8病院から、検査で確認された小児の新型コロナウイルス感染例260例が登録された。
・よくみられる臨床症状は類似していた(発熱64%、咳39%、鼻炎23%)。
・約40%は無症候性だった。
・全体の死亡率は2.3%で、すべてインドとパキスタンから報告された。
・多変量解析によると、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が、重症/重篤なCOVID-19と関連していた。

(ケアネット 金沢 浩子)