日本人反復性片頭痛患者に対するガルカネズマブの治療満足度~第II相試験

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/09

 

 京都・立岡神経内科の立岡 良久氏らは、反復性片頭痛の予防に対しガルカネズマブ(GMB)を投与された日本人患者の治療満足度(4~14ヵ月間の1ヵ月当たりの片頭痛日数)について、評価を行った。Neurology and Therapy誌2021年6月号の報告。

 この第II相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、日本の医療機関40施設において、18~65歳の片頭痛患者が登録された。対象患者は、プラセボ群230例、GMB皮下注120mg(GMB120群)115例、GMB皮下注240mg(GMB240群)114例にランダムに割り付けられ、6ヵ月間の投与を行った。治療に対する印象は、患者による重症度の改善度(PGI-S)、患者による全般印象度の改善度(PGI-I)、薬剤に対する患者の満足度質問票(PSMQ-M)を用いて評価した。PGI-Sはベースライン時および1~6ヵ月、PGI-Iは1~6ヵ月、PSMQ-Mは1および6ヵ月目に評価を行った。GMB群とプラセボ群におけるPGI-Iスコアの違い、PGI-Sスコアのベースラインからの変化、PGI-IとPSMQ-Mのポジティブな反応を評価するため、分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースラインから1~6ヵ月間のPGI-Sスコア平均変化は、以下のとおりであった。
 ●プラセボ群:-0.09±0.05
 ●GMB120群:-0.17±0.07(p=0.33)
 ●GMB240群:-0.30±0.07(p=0.013)
・1~6ヵ月の平均PGI-Iスコアは、以下のとおりであった。
 ●プラセボ群:3.39±0.05
 ●GMB120群:2.55±0.07(p<0.05)
 ●GMB240群:2.71±0.07(p<0.05)
・1ヵ月当たりの片頭痛日数2.8~3.0日の減少は、プラセボ群と比較し、GMB群におけるPGI-Iの高いポジティブ反応率(25~31%)と相関が認められた。
・満足度と好みに対するPSMQ-Mのポジティブ反応率は、プラセボ群と比較し、GMB群で有意に高かった。
【満足度のオッズ比】
 ●GMB120群:3.142(95%信頼区間[CI]:1.936~5.098)、p<0.05
 ●GMB240群:3.924(95%CI:2.417~6.369)、p<0.05
【好みのオッズ比】
 ●GMB120群:3.691(95%CI:2.265~6.017)、p<0.05
 ●GMB240群:3.510(95%CI:2.180~5.652)、p<0.05

 著者らは「GMBによる予防治療を受けている日本人反復性片頭痛患者は、プラセボと比較し、満足度が有意に高かった」としている。

(鷹野 敦夫)