切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法において、ニボルマブ(NIVO)+化学療法と化学療法を比較する無作為化化第3相試験CheckMate816の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表された。
・対象:Stage IB~IIIAの切除可能なNSCLC(ECOGPS≦1)
・試験薬群:ニボルマブ360mg+プラチナダブレット化学療法 3週ごと3サイクル→手術(n=179)
・対照薬群:プラチナダブレット化学療法 3週ごと3サイクル→手術(n=179)
根治手術は治療から6週間以内に行われた
・評価項目:
[主要評価項目]盲検化独立委員会評価の病理学的完全奏効(pCR)および無イベント生存率
[探索的評価項目]手術実施状況、手術関連有害事象
主な結果は以下のとおり。
・pCR達成率は、NIVO+化学療法群24.0%、化学療法群2.2%と、NIVO+化学療法群で有意に優れていた(オッズ比:13.94、99%信頼区間:3.49~55.75、p<0.0001)。(既報)
・根治的手術率は、ニボルマブ+化学療法83%、化学療法群では75%であった。
・肺葉切除術はNIVO+化学療法群の77%、化学療法群の61%で実施され、肺全摘はNIVO+化学療法の17%、化学療法群の25%で実施された。
・R0切除はNIVO+化学療法群83%、化学療法群78%で達成され、原発巣の残存生存腫瘍率はニボルマブ+化学療法10%に対し、化学療法群では74%であった。
・全Gradeの手術関連有害事象の発現はNIVO+化学療法群41%、化学療法群47%であり、Grade3/4はそれぞれ11%、15%で発現した。
CheckMate816において、NIVO+化学療法の術前補助療法は、pCRを有意に改善した。また、同治療は忍容性が高く、ニボルマブの追加により術後合併症が増えることもなかった。この結果は、ニボルマブ+化学療法のNSCLC術前補助療法の選択肢としての可能性を支持するものだと。発表者は結んでいる。
(ケアネット 細田 雅之)