「ワクチンで不妊、流産」に科学的根拠なし、婦人科系3学会が一般向けQ&A

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/23

 

 7月19日、婦人科系三学会(日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会)は合同で「女性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチン(mRNA ワクチン)Q & A」と題した資料を公開した。

 3学会はこれまでも妊産婦や妊娠を希望する女性に対して、新型コロナワクチン接種にあたっての不安を解消するための声明を発表してきた1)2)。しかし、SNS上では「ワクチンを打つと不妊になる」「ワクチンによって月経不順になる」といったエビデンスを欠いた情報が現在も多く流布されており、そうした情報に触れることで不安を持ち、ワクチン接種を見合わせる女性が存在する。ワクチン忌避者の割合は若年女性が年配の男性の3倍程度多い、という調査結果も出ており3)、若年者、とくに女性を対象とした正しいワクチン接種の情報提供が急務となっている。

 今回の資料はこれまでの学会声明等を基に、多くの女性が持つ不安や疑問に答えるQ&A形式を採用、一般向けにわかりやすい用語を使い、医療者が印刷してそのまま患者に渡せる資料形式でつくられた。

 計15問のQAの一部は以下のとおり。

Q1)ワクチンで不妊になることはありますか?これから妊娠を考えているのですが、mRNA ワクチンを接種しても大丈夫でしょうか?
A1)新型コロナウイルスワクチン(mRNA ワクチン)で不妊になるという科学的な根拠は全くありません。

Q2)妊娠中の女性は mRNA ワクチンを接種しても大丈夫でしょうか?流産することはありますか?
A2)妊娠中の女性でも mRNA ワクチンを接種して大丈夫です。すでに多くの接種経験のある海外の妊婦に対するワクチン接種に関する情報では、妊娠初期を含め妊婦さんとおなかの赤ちゃん双方を守るとされています。また、お母さんや赤ちゃんに流産などの何らかの重篤な合併症が発生したとする報告もありません。

女性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチン(mRNA ワクチン)Q & A/日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会

(ケアネット 杉崎 真名)