選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)投与中に病勢進行したホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性の進行乳がんの閉経前女性を対象とした第II相無作為化試験(MIRACLE)で、レトロゾール単独に対して、エベロリムス併用で無増悪生存期間(PFS)延長が認められた。中国・Chinese Academy of Medical Sciences & Peking Union Medical CollegeのYing Fan氏らがJAMA Oncology誌オンライン版で報告。
本試験は、2014年12月8日~2018年9月26日に1次治療を実施した対象患者において、レトロゾールとエベロリムス併用をレトロゾール単独と比較した多施設非盲検第II相無作為化試験。2015年1月5日~2019年12月30日にITT解析を実施した。
対象:SERM投与中に病勢進行したHR陽性/HER2陰性の進行乳がんの閉経前女性 199例
試験群:レトロゾール(2.5 mg1日1回経口)+エベロリムス(10 mg1日1回経口)101例
対照群:レトロゾール(2.5 mg1日1回経口)98例
両群とも28日サイクルの1日目にゴセレリン(3.6mg)を皮下投与。レトロゾール単独群の患者は、病勢進行時にエベロリムス併用群へのクロスオーバーが認められた。
主要評価項目:無増悪生存期間(PFS)
主な結果は以下のとおり。
・対象患者の平均年齢(SD)は44.3歳(6.3歳)だった。
・エベロリムス併用群はレトロゾール単独群に比べ、PFS中央値が有意に延長した(19.4ヵ月[95%CI:16.3~22.0ヵ月]vs.12.9ヵ月[同:7.6~15.7ヵ月]、ハザード比:0.64[同:0.46~0.89]、p=0.008)。
・レトロゾール単独群98例中56例(57.1%)がエベロリムス併用群にクロスオーバーされ、クロスオーバー後のPFS中央値は5.5ヵ月(95%CI:3.8〜8.2ヵ月)だった。
(ケアネット 金沢 浩子)