2022年3月11日、モデルナ・ジャパン株式会社(以下モデルナ社)はメディアセミナー「この春の感染拡大を見据えた3回目追加接種の必要性~Long COVID リスク等も視野にいれて~」を開催した。
本セミナーでは、はじめにモデルナ社 代表取締役社長の鈴木 蘭美氏より、コロナワクチンの開発と最新パイプラインについての説明が行われた。
コロナワクチンに関しては本年秋頃の追加接種の可能性を見込み、モデルナ社ではオミクロン株用を含む追加接種用の2価ワクチンを開発中だという。またmRNA医薬品創出技術を生かしたパイプラインについては、サイトメガロウイルス感染症ワクチン、MSD社と共同開発のがんに対するワクチン、アストラゼネカ社と共同開発の心臓発作時の損傷を防ぐ新薬など、グローバルで計44の新薬開発プロジェクトが進行している。パイプラインの中には新型コロナウイルス・インフルエンザ・RSウイルスに対する3種混合ワクチンも含まれており、2023年秋までの提供開始を目指しているという。
3回目接種と今後のワクチン開発について、鈴木氏は「できるだけ多くの方に3回目のワクチン接種を受けてもらい、免疫を備えてもらいたい。ワクチンのリーディングカンパニーとして、(今後の感染状況が)最悪の場合を想定して最善を備えたいと思っている」と強く語った。
続いて、国際医療福祉大学の和田 耕治氏より、第7波を見据えたワクチン戦略についての講演が行われた。
和田氏は、ワクチン接種状況のデータや自主調査の結果から3回目接種の遅れを指摘、国内外における3回目接種による重症化予防効果のデータを示し、とくに高齢者と基礎疾患のある成人に対する早期接種の重要性を述べた。また、英国のCOVID-19ワクチンサーベイランスレポート1)のデータを用いて、モデルナワクチンとファイザーワクチンの混合接種を含んだ3回目接種による発症予防効果についての解説を行った。
モデルナ社では、3月11日から5月10日まで、60名のサッカー選手が所属クラブの公式Twitterアカウントで、「#GoGoGo 3回目接種」のハッシュタグを付けて3回目接種を支援するツイートを行うキャンペーンを実施している。
(ケアネット 細川 千鶴)