スマートフォンの普及は、私たちの生活に利便性をもたらした一方で、若年からの老眼やドライアイなど眼への悪影響、ストレートネック(スマホ首)の発生などを起こしている。一般的にこれらの影響、とくにストレートネックなどの発生割合はどの程度だろうか。
ストレートネックを知らない人は約7割
株式会社アイスタットは、4月6日にアンケートを実施した。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~59歳の300人が対象。
■調査概要
形式:WEBアンケート方式
期日:2022年4月6日
対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~59歳/全国の有職者)を対象
■アンケートの概要
・ストレートネックを知らない人の割合は約7割近く。意外に浸透はしていない。
・ストレートネックと思う人の割合は約4割、「20・30代」で多い。
・ストレートネックで「ある人」と「そうでない人」の生活習慣の違い第1位は「猫背になりながらのデスクワーク」
・猫背や反り腰の人ほど、ストレートネックになりやすい。
・「身体が硬い」と「ストレートネック」の関連性はあるといえない。
・「視力が落ちた、見えづらい」と「ストレートネック」の関連性はあるといえる。
・日頃、悩んでいる症状で肩こり、首こりがある人ほど、ストレートネックである。
ストレートネックの原因は日頃の生活習慣
質問1で「ストレートネックを知っているか」(単一回答)を聞いたところ、「初めて聞いた、知らない」が37.3%、「知っている」が33.0%、「聞いたことがあるが、内容まで知らない」が29.7%で多かった。大きくストレートネックの認知の有無別に分類すると「知っている」が33%、「知らない」が67%で、約7割近くの人が認知していなかった。性差では、「知っている」の回答について、女性(43.0%)の方が男性(28.0%)に比べてストレートネックの認知度が高く、女性の方が健康に強い関心をもつ傾向が表れた。
質問2で「ストレートネックの症状があると思うか」(単一回答)を聞いたところ、「あまりそう思わない」が34.3%、「全くそう思わない」が30.3%、「ややそう思う」が21.7%と多かった。年代別では、ストレートネックと思う人は「20・30代」に最も多く、すでに医療機関で「スマホ首」と診断された人も4.7%いた。
質問3で「日頃の生活習慣で、あてはまるものについて」(複数回答)を聞いたところ、「長時間のスマホやパソコン操作」が58.3%、「猫背になりながらのデスクワーク」が37.3%、「うつむいた姿勢での読書」が14.3%と多かった。一方で、「どれにもあてはまらない」が22.0%と回答数も多く、日常生活で必ずしも前傾姿勢をしている人が多いわけでもないことがわかった。また、ストレートネックの有無別では、アンケートで聞いたすべての生活習慣であてはまると回答した人は「ストレートネックである」の人ほど多かったことから、生活習慣がストレートネックの原因の一つとなっていることがうかがえた。
質問4で「自分は猫背あるいは反り腰だと思うか」(単一回答)を聞いたところ、「どちらかといえばそう思う」が34.7%、「どちらかといえばそう思わない」が24.0%、「非常にそう思う」が22.3%と多かった。大きくわけると「そう思う」が57%、「そう思わない」が43%と、前傾姿勢を意識していた回答者が多かった。また、ストレートネック有無別にみると「猫背あるいは反り腰」を回答した人は「ストレートネックである」が78.3%、「そうでない」が45.4%で、「ストレートネックである」と回答した人の方が多かった。
ストレートネックの原因、運動の有無と日常生活での姿勢が関係
質問5で「身体が硬い方(柔軟性がない方)だと思うか」(単一回答)を聞いたところ
「非常にそう思う」と「どちらかといえばそう思う」が同数で34.7%、「どちらかといえばそう思わない」が17.7%と多かった。また、ストレートネック有無別にみると「身体が硬い」を回答した人は「ストレートネックである」が74.5%、「そうでない」が66.5%で、「ストレートネックである」と回答した人の方が多かった。
質問6で「最近、視力が落ちた、もしくは見えづらいと思うか」(単一回答)を聞いたところ「どちらかといえばそう思う」が38.3%、「非常にそう思う」が31.7%、「どちらかといえばそう思わない」が17.7%と多かった。また、ストレートネックの有無別にみると「見えづらい」と回答した人は「ストレートネックである」が79.2%、「そうでない」が64.9%で、「ストレートネックである」と回答した人の方が多かった。
質問7で「最近、選択肢の症状で悩んでいることはあるか」(複数回答)を聞いたところ、「肩こり」が42.7%、「首こり」が33.3%、「視力低下・疲れ目・ドライアイ」が29.7%の順で多かった。また、ストレートネックの有無別では、アンケートで聞いたすべての症状で、あてはまると回答した人は「ストレートネックである」の人ほど多かった。とくに、ストレートネックで「ある人」と「そうでない人」の主な違いは何かを調べたところ、両方の差分より、第1位は「肩こり」が33.2ポイント、第2位は「首こり」が28.7ポイント、第3位は「めまい・ふらつき・吐き気」が18.9ポイントで、肩こり、首こりの症状があると回答している人ほど、ストレートネックである傾向がみられた。
質問8で「日頃、行っていることはあるか」(複数回答)を聞いたところ、「ストレッチをする」が38.7%、「姿勢を正しくする」が22.7%、「あお向けで寝る」が14.7%の順で多かった一方で、「(選択肢の)どれにもあてはまらない」と回答した人も39.0%いた。また、ストレートネックで「ある人」と「そうでない人」の主な違いは何かを調べたところ、両者の差分より、第1位は「ストレッチをする」が17.5ポイント、第2位が「スマホの使用時に姿勢を注意する」の14.6ポイント、第3位が「姿勢を正しくする」の11.6ポイントだった。運動の有無、日常生活での姿勢がストレートネックの原因に大きく関係している可能性がうかがえた。
(ケアネット 稲川 進)