2010年代の京都市の肺がん治療、医療費は増加し生存割合は改善/アストラゼネカ

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/04

 

 アストラゼネカと京都市は、京都市におけるがん検診受診率や肺がん患者の治療パターン、予後などに関する行政医療データを解析・調査するための共同研究の結果を発表した。この結果は2022年6月28日付けでValue in Health Regional Issues(電子版)に掲載されている。

 2013〜18年度に京都市で肺がんと診断され、治療を受けた4,845名を対象に、肺がんの治療パターン、医療費、予後について解析・調査を行った。

 6年の解析期間において、研究対象患者の年齢平均値は73歳から74歳へと推移した。初回治療として手術を受けた患者の割合は、2013年度は35.2%、2018年度は39.6%であった。薬物治療を受けた対象者の割合は2013年度の44.1%から、2018年度は37.6%と各年で上下しながら推移している。肺がん患者における、手術、薬物療法、放射線療法それぞれの年間医療費の合計は2014年度から2018年度で経年的に増加傾向だった。一方、2年以内に死亡する患者の割合は2013年度の42.7%から2016年度の36.8%まで毎年減少している。

 同研究では、2010年代の肺がん治療の変化に加え、医療費の増加および生存割合の経年的な改善傾向が記述された。

 同共同研究においては、すでに京都市との間で研究期間の延長が合意されており、同市における肺がん検診の受診率や治療パターン、予後など行政医療データをさらに詳しく解析・調査してその結果を発表していく予定である。

(ケアネット 細田 雅之)