これまでの研究で、食事の質の低さと睡眠障害との関連が示唆されている。地中海式食事療法は、高品質の食事療法であり、健康全体に対し有益な効果があるといわれている。イラン・Shahid Sadoughi University of Medical SciencesのZahra Yaghtin氏らは、思春期女性における地中海式食事パターンのアドヒアランスと不眠症スコアとの関連を調査した。その結果、イランの思春期女性では、修正済み地中海式食事スコアのアドヒアランスと不眠症レベルとの間に逆相関が認められた。BMC Nutrition誌2022年6月29日号の報告。
12~18歳の思春期女性733人を対象に横断的研究を実施した。食事摂取量の評価には、147項目の食事摂取頻度調査票(FFQ)を用いた。地中海式食事スコアを、修正モデルとして0~9ポイントの範囲で算出した。不眠症の評価には、検証済み不眠症重症度質問票(ISI)を用いた。修正済み地中海式食事スコアと不眠症との関連を評価するため、線形回帰(crude model、adjusted model)を用いた。モデルIではエネルギー摂取量で調整、モデルIIでは身体活動、両親の教育レベルでさらに調整、完全調整モデル(モデルIII)では年齢、BMI、腹部肥満で調整した。
主な結果は以下のとおり。
・線形回帰(crude model)では、地中海式食事スコアと不眠症スコアとの間に有意な逆相関が認められた(β=-0.091、95%CI:-0.392~-0.046、p=0.013)。
・交絡因子で調整した各モデルにおいても同様の結果が認められた。
●モデルI:β=-0.098、95%CI:-0.423~-0.045、p=0.015
●モデルII:β=-0.092、95%CI:-0.410~-0.029、p=0.024
●モデルIII:β=-0.082、95%CI:-0.385~-0.006、p=0.044
(鷹野 敦夫)