COVID-19陽性者のメンタルヘルスに対するヨガの効果

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/11

 

 COVID-19パンデミックは、社会全体にストレス、不安、うつ病の増加をもたらした。とくにCOVID-19の検査で陽性となった人々では、メンタルヘルスやウェルビーイングへの影響が大きい。インド工科大学デリー校のNitesh Sharma氏らは、COVID-19の影響を受けた患者のストレス、不安、うつ病の軽減に対するヨガ介入療法の有効性を評価するため、COVID-19病棟における準ランダム化比較試験を実施した。また、COVID-19の影響を受けた患者のSpO2と心拍数の測定も実施した。その結果、ヨガ介入療法は、COVID-19陽性者のストレス、不安、うつ病の軽減に対し、実践可能な介入である可能性が示唆された。International Journal of Yoga Therapy誌2022年1月1日号の報告。

 対象のCOVID-19陽性者62例を、従来の治療のみを行う対照群(31例)と従来の治療に50分間のヨガ介入療法を追加するヨガ介入群(31例)にランダムに割り付けた。隔離期間の開始時および終了時に、標準化されたHospital Anxiety and Depression Scale(HADS)、7項目一般化不安障害質問票(GAD-7)、こころとからだの質問票(PHQ-9)、知覚されたストレス尺度(Perceived Stress Scale)による評価を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・ヨガ介入群では、ストレス、不安、うつ病の有意な軽減が観察された。
・対照群では、不安の有意な軽減が認められたが、ヨガ介入群の減少率のほうがより大きかった。
・ヨガ介入群では、酸素飽和度、心拍数レベルの有意な改善が認められたが、対照群では有意な改善は認められなかった。

(鷹野 敦夫)