PD-L1阻害薬sumagelimabによる、切除不能なStageIII 非小細胞肺がん(NSCLC)に対する同時化学放射線療法(cCRT)または逐次化学放射線療法(sCRT)後の地固め療法は、有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示した。中国・広東省人民病院のYi-Long氏が、世界肺癌学会(WCLC2022)で発表した第III相試験GEMSTONE-301の結果である。
・対象:同時または逐次化学放射線療法後に疾患進行が認められない切除不能StageIII NSCLC
・試験群:地固め療法としてsumagelimab(1,200mg)3週ごと24ヵ月まで
・対照群:プラセボ3週ごと24ヵ月まで
・評価項目:
[主要評価項目]盲検独立中央委員会(BICR)評価のPFS
[副次評価項目]全生存期間(OS)、治験担当医評価のPFS、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)など
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値はsumagelimab群27.1ヵ月、プラセボ群23.5ヵ月であった。
・BICR評価のPFS中央値はsumagelimab群は10.5ヵ月、プラセボ群は6.2ヵ月であった(HR:0.65、95%CI:0.50〜0.84、p=0.0012)。
・sCRT集団のPFS中央値はsumagelimab群8.1ヵ月、プラセボ群4.1ヵ月(HR:0.57)、cCRT集団のPFS中央値はsumagelimab群15.7ヵ月、プラセボ群8.3ヵ月(HR:0.71)、と化学放射線療法の方法を問わず、一貫してsumagelimab群で良好であった。
・OS中央値は、sumagelimab群未到達、プラセボ群25.9ヵ月であった(HR:0.69、95%CI:0.49〜0.97)。
・Grade3以上の治療関連有害事象は、sumagelimab群の11.4%で発生した。
2022年6月、sumagelimabは上記の適応で中国で承認されている。
(ケアネット 細田 雅之)