5~11歳への3回目ファイザー製ワクチンを承認/厚生労働省

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/31

 

 厚生労働省は8月30日、5~11歳を対象とするファイザー製新型コロナウイルスワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(販売名:コミナティ筋注5~11歳用)について、追加接種(追加免疫)の用法・用量追加について承認したことを発表し、添付文書を改訂した。

 今回の追加接種の年齢層の拡大は、海外第I/II/II/相試験(C4591007試験)第II/III相パートのデータに基づいている。本試験では、本剤10μgを2回接種済みの5~11歳の小児参加者401例に、2回目接種から5~9ヵ月後に本剤10μgを1回接種したときの免疫原性および安全性が検討された。

 SARS-CoV-2感染歴がない小児参加者における本剤接種後のSARSCoV-2血清中和抗体価を評価した結果、幾何平均抗体価(GMT)は、2回目接種1ヵ月後時点では1,253.9(両側95%信頼区間[CI]:1,116.0~1,408.9]、3回目接種前では271.0(両側95%CI:229.1~320.6)、3回目接種1ヵ月後時点では2,720.9(両側95%CI:2,280.1~3,247.0)となり、3回目接種1ヵ月後時点で上昇が認められた。2回目接種1ヵ月後時点の抗体価に対する3回目接種1ヵ月後時点の抗体価の幾何平均比(GMR)は2.17(両側95%CI:1.76~2.68)であった。

 3回目接種後の安全性については、治験薬接種後7日間、電子日誌により報告された371例の副反応の発現状況を評価した。主な副反応の発現状況(事象全体およびGrade3以上)として、注射部位疼痛、疲労、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛、発熱(38.0度以上)が報告された。注射部位疼痛は、接種当日に発現し、持続期間は2日であった(中央値)。その他の全身性の事象は接種翌日に発現し、持続期間は1日であった(中央値)。

 添付文書における主な改訂は以下のとおり。

6. 用法及び用量
本剤を日局生理食塩液1.3mLにて希釈する。
初回免疫の場合、1回0.2mLを合計2回、通常、3週間の間隔で筋肉内に接種する。
追加免疫の場合、1回0.2mLを筋肉内に接種する。

7. 用法及び用量に関連する注意
7.2 追加免疫
7.2.1 接種対象者
5歳以上11歳以下の者。SARS-CoV-2の流行状況や個々の背景因子等を踏まえ、ベネフィットとリスクを考慮し、追加免疫の要否を判断すること。
7.2.2 接種時期
通常、本剤2回目の接種から少なくとも5ヵ月経過した後に3回目の接種を行うことができる。
7.2.3
他のSARS-CoV-2ワクチンを接種した者に追加免疫として本剤を接種した際の有効性、安全性は確立していない。

 なお、同ワクチンの5~11歳への追加接種について、米国では、2022年5月17日に米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)している。

(ケアネット 古賀 公子)