ブースター接種、異種のほうが効果が持続する可能性

提供元:ケアネット

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公開日:2022/09/08

 

 世界的に新型コロナワクチンのブースター接種が進む中で、同種・異種ワクチンのどちらがブースター接種により適しているかを検討した研究結果が発表された。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのC.Sabrina Tan氏らによる本研究は、JAMA Network Open誌2022年8月1日号に掲載された。

 研究者らは、少なくとも6ヵ月前にBNT162b2(ファイザー製)の2回接種を完了した68例を対象に、ファイザー製とAd26.COV2.S(Johnson & Johnson製)によるブースター接種を行い、4ヵ月後の液性および細胞性免疫反応を評価した。

 参加者の登録は2021年8月12日~10月25日に行われ、SARS-CoV-2感染既往がある場合、他のワクチンの接種を受けている場合、免疫抑制剤の投与を受けている場合は除外された。4ヵ月後にフォローアップを行い、データ解析は2021年11月~2022年2月にかけて行われた。主要評価項目は4ヵ月(16週)後の中和抗体、結合抗体、機能的抗体による免疫応答だった。

 主な結果は以下のとおり。

・68例中、27例がファイザー製(年齢中央値[SD]35[23~76]歳)、41例がJ&J製(36[23~84]歳)のブースター接種を受けた。56例(82%)が女性だった。
・いずれのワクチンも、懸念される変異株に対するものも含め、体液性および細胞性免疫反応の増加と関連していた。
・オミクロン株に対する中和抗体の値は、ファイザー製のブースター接種では2週目に中央値(IQR)1,018(699~1,646)をピークに、16週目には148(95~266)まで6.9倍減少した。J&J製では、4週目に中央値(IQR)859(467~1,838)をピークに、16週目には403(208~1,130)まで2.1倍減少した。

 著者らは、「J&J製のアデノウイルスベクターワクチンはmRNAワクチンと比較して初期の抗体価は低いものの、16週後の抗体応答および防御効果についてはmRNAワクチンよりも持続していた。これらの知見は今後のブースター戦略に役立つものだ」としている。

(ケアネット 杉崎 真名)