肝細胞がん1次治療にcamrelizumab+rivoceranibが有用/ESMO2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/10/07

 

 抗PD-1抗体薬camrelizumabとVEGFR-2TKIであるrivoceranibの併用は、ソラフェニブに比べて未治療の切除不能な肝細胞がん患者の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を改善した。無作為化第III相試験の結果として、中国・Nanjing UniversityのShukui Qin氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。

・対象: バルセロナ臨床肝がん(BCLC)stage B/Cで、未治療の切除不能または転移のある肝細胞がん患者
・試験群:camrelizumab+rivoceranib(272例)
・対照群:ソラフェニブ(271例)
・評価項目:
[主要評価項目]PFS、OS
[副次評価項目]奏効率(ORR)

 主な結果は以下のとおり。

・BCLC stage Cの患者は試験群86.0%、対照群85.2%、両群ともにアジア人が82.7%を占めていた。
・中央値7.8ヵ月の観察期間において、PFS中央値は試験群5.6ヵ月、対照群3.7ヵ月であり、試験群で有意な改善を認めた(ハザード比[HR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.41〜0.65、p<0.0001)。
・中央値14.5ヵ月の観察期間において、OS中央値は試験群22.1ヵ月、対照群15.2ヵ月であり、試験群で有意なOS改善を示していた(HR:0.62、95%CI:0.49〜0.80、p<0.0001)。
・試験群のPFSおよびOSの改善効果はサブグループに一貫して認められていた。
・独立評価委員会(BIRC)判定によるORRは、試験群25.4%、対照群5.9%であった(p<0.0001)。
・Grade3~4および5の治療関連有害事象は、試験群で80.5%と0.4%、対照群では52.0%と5.9%に発現した。主なものは高血圧、AST上昇、蛋白尿、ALT減少などであった。有害事象による治療中断は試験群で24.3%、対照群で4.5%にみられた。

 以上の結果を受け、Qin氏は「camrelizumabとrivoceranibの併用療法は、切除不能な肝細胞がん患者に対する新たな1次治療レジメンとして期待される」と結んだ。

(ケアネット)