EGFR陽性肺がんオシメルチニブ1次治療の肺臓炎、リアルワールド解析の結果(OSI-FACT)/Chest

提供元:ケアネット

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公開日:2023/01/11

 

 オシメルチニブは、進行EGFR変異陽性肺がん患者(NSCLC) の1次治療として位置付けられている。一方、オシメルチニブの潜在的合併症である薬物関連肺臓炎(DRP)については、信頼できるリアルワールドデータが不足している。

 リアルワールドにおけるオシメルチニブ1次治療のDRP発現頻度、特徴を評価する多施設後ろ向きコホート研究が行われた。その結果が、2022年11月のChest誌で発表されている。

 対象は2018年8月〜2019年12月に、1次治療としてオシメルチニブを投与された進行EGFR変異陽性NSCLC患者。主要評価項目は、独立審査委員会で特定された DRP発現率であった。

 主な結果は以下のとおり。

・18施設から452例の患者が登録された。
・全GradeのDRPは80例(18%) 、Grade3以上は21例(4.6%)に認められた。
・DRPの患者のうち、46%が一過性無症候性肺陰影(TAPO)であることが確認された。
・多変量解析では、DRPの独立した危険因子として喫煙歴が特定された(ハザード比:1.72、95%信頼区間:1.01〜2.89、p=0.046)。
・3ヵ月のランドマーク分析によれば、DRPの存在は治療効果の低さと関連していたが、TAPOの存在は治療効果に悪影響を及ぼさなかった。

(ケアネット)