アストラゼネカは、2022年12月23日、アカラブルチニブ(製品名:カルケンス)が、「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の適応症で厚生労働省より承認されたと発表した。
今回の承認は、国内第I相試験および、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)を対象とした国際共同第III相試験(ELEVATE-TN試験)の結果に基づくもの。
ELEVATE-TN試験では、アカラブルチニブの単剤投与またはアカラブルチニブとオビヌツズマブの併用投与が、標準化学免疫療法であるクロラムブシルとオビヌツズマブの併用投与と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが示された。本試験の中間解析データは、2020年にThe Lancet誌で発表されている。
また、今回の適応拡大の承認では、未治療の日本人CLL患者を対象に含む第I相試験も評価された。この試験では、アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用による全奏効率は100%(9/9例)であった。
2022年米国臨床腫瘍学会(ASCO)および2022年欧州血液学会(EHA)年次総会においては、ELEVATE-TN試験の約5年追跡の最新結果が発表された。アカラブルチニブはクロラムブシルとオビヌツズマブ併用投与に対して統計学的に有意なPFSのベネフィットを維持し、安全性および忍容性プロファイルはアカラブルチニブの既知のプロファイルと一貫していることが示されている。
(ケアネット 細田 雅之)