日本人労働者における社会的サポートとメンタルヘルスとの関連

提供元:ケアネット

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公開日:2023/01/17

 

 うつ病、不安症、不眠症には、社会的サポートの不十分さが影響しているといわれている。大阪医科薬科大学の大道 智恵氏らは、日本人労働者のうつ病、不安症、不眠症に関連する社会的サポートの特定を試みた。その結果、同僚や家族からのサポートは、日本人労働者の抑うつ症状を軽減する可能性があり、家族からのサポートは、不眠症状の軽減にもつながる可能性が示唆された。Frontiers in Public Health誌2022年11月21日号の報告。

 コホート研究の一環として、2021年9月~2022年3月に滋賀県甲賀市の市職員を対象にアンケート調査を実施した。抑うつ症状、不安症状、不眠症状の評価には、こころとからだの質問票(PHQ-9)、7項目一般化不安障害質問票(GAD-7)、不眠症重症度質問票(ISI)をそれぞれ用いた。仕事のストレスおよび上司、同僚、家族からのサポートは、職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・日本人労働者1,852人のうち、抑うつ症状(PHQ-9:10以上)は15.5%、不安症状(GAD-7:10以上)は10.8%、不眠症状(ISI:15以上)は8.2%で認められた。
・ロジスティック回帰分析では、仕事のストレスが抑うつ症状(p<0.001)、不安症状(p<0.001)、不眠症状(p=0.009)と関連していることが示唆された。
・同僚(p=0.016)および家族(p=0.001)からのサポートは、抑うつ症状の軽減と関連していた。
・家族からのサポートは、不眠症状の減少とも関連していた(p=0.005)。

(鷹野 敦夫)