米国食品医薬品局(FDA)は3月15日、ファイザーの新型コロナウイルスのオミクロン株BA.4/BA.5対応2価ワクチンについて緊急使用許可(EUA)を修正し、生後6ヵ月~4歳の小児において、同社の1価ワクチンの3回接種(初回シリーズ)が完了してから少なくとも2ヵ月後に、2価ワクチンによるブースター接種1回を行うことができることを発表した。
2022年12月に、生後6ヵ月~4歳の小児は、1価ワクチンの初回シリーズの2回目までを接種した者に対して、3回目に2価ワクチンを接種することが承認されていた。今回の生後6ヵ月~4歳への2価ワクチンブースター接種の承認では、上記の3回目に2価ワクチンを接種した小児は対象外となり、初回シリーズをすべて1価ワクチンで3回接種した者のみが対象となる。
FDAは、生後6ヵ月~4歳の小児に対する臨床試験で、ファイザーの1価ワクチンを3回接種し、同社の2価ワクチンのブースター接種を1回受けた60例の免疫応答データを評価した。2価ワクチンのブースター接種から1ヵ月後、被験者はSARS-CoV-2起源株とオミクロン株BA.4/BA.5の両方に対して免疫応答を示した。
安全性のデータは、55歳以上への2価ワクチンのブースター接種、生後6ヵ月以上への初回シリーズ接種、5歳以上への1価ワクチンのブースター接種を評価した臨床試験、1価および2価ワクチンの市販後の安全性データに基づいている。加えて、6ヵ月以上に対して、以下の2つの臨床試験が行われた。
1つの試験では、1価ワクチンを3回接種し、2価ワクチンのブースター接種を1回受けた生後6~23ヵ月の被験者24例において、主な副反応として、イライラ感、眠気、注射部位の発赤、痛みおよび腫脹、食欲低下、疲労感、発熱が報告された。5~11歳の113例の被験者では、主な副反応として、疲労、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒、発熱、嘔吐、下痢、注射部位の痛み、腫脹、発赤、注射部位と同じ腕のリンパ節の腫脹などが報告された。
もう1つの試験では、1価ワクチンを2回、1価ワクチンのブースター接種を1回、2価ワクチンのブースター接種を1回受けた12歳以上の316例において、主な副反応は5~11歳の被験者で報告されたものと同じであった。
(ケアネット 古賀 公子)