術後せん妄予防にメラトニン投与が有望~メタ解析

術後せん妄は、死亡率に影響を及ぼす問題である。術後せん妄の多くは予防可能であり、予防薬としてメラトニン投与が有望であるといわれている。英国・Bristol Royal InfirmaryのJonathan Barnes氏らは、術後せん妄の予防におけるメラトニンの有効性に関する最新のエビデンスのシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、メラトニンは、成人の術後せん妄発生率を低下させる可能性が示唆された。BMJ Open誌2023年3月29日号の報告。
術後せん妄の予防におけるメラトニンの有効性を患者1,244例で解析
1990年1月1日~2022年4月5日までに公表された術後せん妄に対するメラトニンのランダム化比較試験を、各種データベース(EMBASE、MEDLINE、CINAHL、PsycINFO)および臨床試験レジストリ(ClinicalTrials.org)から、システマティックに検索した。対象には、成人の術後せん妄発生率に対するメラトニンの影響を調査した研究を含めた。バイアスリスクの評価には、Cochrane risk of bias 2 toolを用いた。主要アウトカムは、術後せん妄の発生率、副次アウトカムは、術後せん妄の期間および入院期間とした。データの合成には、ランダム効果メタ解析を用い、フォレストプロットで図式化した。研究の方法論およびアウトカム測定の概要も調査した。術後せん妄の予防におけるメラトニンの有効性を解析した主な結果は以下のとおり。
・さまざまな外科の専門分野の患者1,244例を対象とした11件の研究をメタ解析に含めた。
・7件の研究では、さまざまな用量でメラトニンが使用されており、4件の研究ではラメルテオンが使用されていた。
・術後せん妄の診断には、8つの異なる診断ツールが使用されていた。
・評価時期は、研究によりさまざまであった。
・バイアスリスクは、6件の研究で低く、5件の研究でやや懸念があると評価された。
・対照群と比較したメラトニン群の術後せん妄発症に対するcombined ORは0.41(95%信頼区間:0.21~0.80、p=0.01)であった。
(鷹野 敦夫)
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