100歳超にみられる血液検査の特徴/スウェーデン・AMORISコホート研究

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2023/11/01

 

 100歳を超える長寿者(センテナリアン)とそうでない人の違いはどこにあるのだろうか。スウェーデン・カロリンスカ研究所の村田 峻輔氏らの研究グループは、AMORISコホート参加者のバイオマーカー情報を最長35年間追跡調査し、その結果を報告した。センテナリアンは、総コレステロールと鉄の値が高く、グルコース、クレアチニン、尿酸などの値が低いことが判明した。Geroscience誌2023年9月19日号に掲載。

センテナリアンの多くが65歳以降も良好なバイオマーカーの値を維持

 本研究では、1985~1996年に測定された血液ベースのバイオマーカーに関する情報を持つスウェーデン・AMORISコホートの登録データを最長35年間追跡調査した。代謝、炎症、肝臓、腎臓、貧血、栄養状態のバイオマーカーについて、記述統計、ロジスティック回帰、クラスター分析を用いて検討。

 主な結果は以下のとおり。

・1,224人(84.6%が女性)が100歳の誕生日まで生存。
・総コレステロールと鉄の値が高く、グルコース、クレアチニン、尿酸、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、乳酸脱水素酵素、総鉄結合能の値が低いことが、100歳を迎えることと関連していた。
・センテナリアンは、全体的にかなり均質なバイオマーカープロファイルを示した。
・センテナリアンは、100歳以前に死亡した人と比較し、65歳以降で一般的なバイオマーカーにおいて、より良好な値を示していた。

(ケアネット 稲川 進)