医学生のスマホ依存と睡眠との関係~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2023/10/30

 

 シンガポール・Singhealth PolyclinicsのMabel Qi He Leow氏らは、医学生におけるスマートフォン依存と睡眠の関連を評価するため、メタ解析を実施した。副次的アウトカムには、スマートフォン依存の有病率、スマートフォンの使用時間や使用目的、睡眠不足の有病率、睡眠時間と睡眠の質を含めた。その結果、医学生において睡眠不足が57%、スマートフォン依存が39%でみられ、相関指数は0.30であることが報告された。また、医学生は一般的にスマートフォンをテキストメッセージ、画像共有、ソーシャルネットワークに使用しており、1日の平均使用時間は4.9時間であることが明らかとなった。PLOS ONE誌2023年9月15日号の報告。

 2022年10月までに公表された研究を、各種データベース(PubMed、Cochrane Library、Embase、PsycINFO、CINAHL)より検索した。西洋医学を学ぶ学生を対象に、スマートフォン依存と睡眠との関連を定量的に評価した英語による研究をメタ解析に含めた。タイトルおよびアブストラクトのスクリーニングにはアプリケーション「Rayyan」、バイアスリスクの評価にはジョアンナ・ブリッグス研究所(JBI)のcritical appraisal checklistを用いた。異質性評価とデータのメタ統合には、ソフトウェア「R」のメタパッケージを用いた。スマートフォン使用のアクティビティに関するデータは、定性的に統合した。

 主な結果は以下のとおり。

・298件のアブストラクトのうち、適格基準を満たした16件(医学生:9,466例、男性:3,781例[39.9%]、女性:5,161例[54.4%])をメタ解析に含めた。
・スマートフォン依存スケール短縮版(SAS-SV)とピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)とのメタ相関は0.30(95%信頼区間[CI]:0.24~0.36)、SAS-SVと睡眠時間とのメタ相関は0.27(同:0.18~0.36)であった。
・スマートフォン依存の有病率のメタ推定値は39%(95%CI:0.30~0.50)、SAS-SVによるスコアは31.11(同:29.50~32.72)であった。
・1日当たりのスマートフォンの平均使用時間は、4.90時間(95%CI:3.72~6.08)であった。
・睡眠不足の有病率に関するメタ推定値は57%(95%CI:0.48~0.66)、PSQIのメタ平均値は5.95(同:4.90~7.00)、睡眠時間のメタ平均値は5.62時間(同:4.87~6.36)であった。
・医学生におけるスマートフォンの主な使用目的はテキストメッセージであり、次いで画像共有、ソーシャルネットワークであった。

(鷹野 敦夫)