英国アストラゼネカ社の9月15日の発表によると、ストックホルムで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、臨床背景因子により選択されたアジアの進行非小細胞肺がん患者を対象とした臨床試験IPASS(IRESSA Pan-ASia Study)において、イレッサがカルボプラチン/パクリタキセル併用化学療法に対して無増悪生存期間の非劣性を証明するという主要目的を上回り、優越性を証明したことが報告された。
事前に計画されていたバイオマーカーに基づくサブグループ解析では、無増悪生存期間はEGFR遺伝子変異陽性患者ではイレッサ群が化学療法群に比べ有意に長く (HR 0.48, 95% CI 0.36~0.64, p<0.0001)、EGFR遺伝子変異陰性患者では化学療法群がイレッサ群に比べ有意に長い(HR 2.85, 95% CI 2.05~3.98, p<0.0001)ことが示された。EGFR遺伝子変異の状況が不明な患者群においては、全試験患者の結果と同様の結果であった。
またイレッサは併用化学療法に比べ、良好な忍容性、有意に優れたQOL(生活の質)改善率を示した。
IPASSは非盲検無作為化並行群間比較試験で、臨床背景因子により選択されたアジアの進行非小細胞肺がん患者を対象にファーストライン治療としてのイレッサの有効性、安全性及び忍容性をカルボプラチン/パクリタキセル併用化学療法と比較した試験である。主要評価項目は無増悪生存期間で、主要目的は無増悪生存期間におけるイレッサのカルボプラチン/パクリタキセル併用化学療法に対する非劣性を証明することであった。
この試験にはアジアにおいて化学療法治療歴のない進行非小細胞肺がん患者で、組織型が腺がん、かつ喫煙歴のない、または軽度の喫煙歴(10 Pack-Year以下で少なくとも15年以上禁煙している)を有する患者1,217例が組入れられた。
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