中間期乳がん、生殖細胞系列遺伝子変異と関連/JAMA Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2024/02/16

 

 検診と検診の間にみつかる乳がんは中間期乳がんと呼ばれ、検診でみつかる乳がんより臨床病理学的特徴が悪く、予後も不良である。これまで中間期乳がんと生殖細胞系列遺伝子変異との関連は研究されていないことから、今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJuan Rodriguez氏らが中間期乳がんと検診発見乳がんの識別に生殖細胞系列タンパク質切断型変異体(PTV)を適用できるかどうか検討した。JAMA Oncology誌オンライン版2024年1月25日号に掲載。

 この研究は、スウェーデンでマンモグラフィ検査を受けている40~76歳の女性で、2001年1月~2016年1月に乳がんと診断された全女性と、年齢をマッチさせた対照を対象としたもの。乳がん患者については2021年まで生存について追跡し、34の乳がん感受性遺伝子の生殖細胞系列PTVをターゲットシークエンシングにより解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・乳がん患者4,121例(中間期乳がん:1,229例、検診発見乳がん:2,892例)はすべて女性で、平均年齢は55.5歳(SD:7.1歳)であった。対照は5,631人であった。
・中間期乳がんの患者は検診発見乳がん患者より、5つの主要遺伝子(ATMBRCA1BRCA2CHEK2PALB2)にPTVを保有する可能性が高く(オッズ比[OR]:1.48、95%信頼区間[CI]:1.06~2.05)、主にBRCA1/2PALB2の変異と関連していた。
・乳がん家族歴を持つ女性は、これら5つの遺伝子のいずれかにPTVを保有していると、検診発見乳がんと比較して中間期乳がんリスクが相乗的に増加した(OR:3.95、95%CI:1.97~7.92)。
・中間期乳がんの診断を受けた場合、これら5つの遺伝子のいずれかにPTVを保有する患者はいずれの遺伝子も持たない患者に比べて生存率が有意に低い(ハザード比:2.04、95%CI:1.06~3.92)ことが、10年乳がん特異的生存率から明らかになった。
・これらの関連はすべて、以前の検診で乳腺密度が低かった中間期乳がん患者でより顕著であった。

 著者らは「本研究の結果は、乳がんの治療だけでなく、死亡率低下を目的とした将来の検診プログラムの最適化にも有用だろう」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)