乾癬治療のデュークラバシチニブ、長期投与の有用性

提供元:ケアネット

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公開日:2024/12/25

 

 中等症~重症の局面型皮疹を有する乾癬において、3年間のデュークラバシチニブによる継続治療は安全かつ有効であることを、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のApril W. Armstrong氏らが、3試験(POETYK PSO-1、PSO-2、長期継続試験)の結果のプール解析を行い報告した。デュークラバシチニブ治療は3年間にわたり一貫した安全性プロファイルを示し、有害事象(AE)および重篤な有害事象(SAE)の発現率は、時間の経過とともに低下または同程度であった。結果を踏まえて著者は、「今回の結果は、中等症~重症の局面型皮疹を有する乾癬患者に対するデュークラバシチニブの長期安全性と有効性を、さらに支持するものであった」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年11月27日号掲載の報告。

 研究グループは、PSO-1、PSO-2試験(52週間の第III相無作為化二重盲検試験)、長期継続試験(PSO-1試験またはPSO-2試験を完了した被験者が対象)における、3年間(148週)のデュークラバシチニブの安全性と有効性を評価した。
 対象は、中等症~重症の局面型皮疹を有する乾癬患者で、PSO-1、PSO-2試験における52週の治療を完了後、事前に指定された長期継続試験に登録が可能であった患者とした。長期継続試験の登録は、2019年8月12日に開始。世界的なCOVID-19パンデミックのピーク時に行われた。安全性および有効性の評価は2022年6月15日まで行われ、これらのデータは2024年6月28日まで解析された。
 PSO-1、PSO-2試験では、患者をプラセボ群、デュークラバシチニブ群(6mgを1日1回)、アプレミラスト群(30mgを1日2回)に1対2対1の割合で無作為に割り付け投与した。長期継続試験に登録された患者は、非盲検下でデュークラバシチニブ6mgを1日1回投与された。
 安全性のアウトカムは、デュークラバシチニブを1回以上投与された患者を対象に評価した。
 有効性のアウトカムは、PSO-1、PSO-2試験の1日目からデュークラバシチニブ治療を受け、長期継続試験に組み入れられた患者を対象に、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)75/90達成率、static Physician’s Global Assessment(sPGA)スコア0(消失)または1(ほぼ消失)達成率(sPGA 0/1達成率)などを評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・1,519例がデュークラバシチニブを1回以上投与され、513例が長期継続試験に組み入れられた。
・100人年当たりの曝露期間で調整した有害事象の発現率(EAIR)は、最初の1年間と3年間で減少または同程度であった。AEのEAIRはそれぞれ229.2、144.8で、SAEのEAIRはそれぞれ5.7、5.5、中止に至ったAEのEAIRはそれぞれ4.4、2.4、死亡のEAIRはそれぞれ0.2、0.3であった。
・多くみられたAE(100人年当たりのEAIR≧5)の最初の1年間、3年間の発現率は、上咽頭炎がそれぞれ26.1、11.4で、COVID-19がそれぞれ0.5、8.0、上気道感染がそれぞれ13.4、6.2であった。
・注目すべきAE(帯状疱疹、主要心血管イベント、悪性腫瘍など)のEAIRは、いずれも低く、最初の1年間と3年間で減少または同程度であった。
・臨床的寛解は、3年にわたって維持された。PASI 75、PASI 90、sPGA 0/1の1年時と3年時の達成率は以下のとおりであった。
 PASI 75:72.6%、73.2%
 PASI 90:45.6%、48.1%
 sPGA 0/1:58.1%、54.1%

(ケアネット)