片頭痛予防にメラトニン介入が有望な可能性

提供元:ケアネット

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公開日:2024/12/30

 

 近年、とくにCOVID-19後において睡眠・覚醒障害の有病率が増加した。これに伴い、市販のサプリメントとしてメラトニンを使用するケースが有意に上昇した。メラトニンは、不眠症のマネジメントに有効であることは知られているが、使用用途はそれだけにとどまらないといわれている。その中でも、片頭痛の予防や治療に関しては、メラトニンの抗炎症、抗酸化、鎮痛作用が有効である可能性が示唆されており、研究者の大きな関心事項となっている。米国・California Institute of Behavioral Neurosciences & PsychologyのBhavana Nelakuditi氏らは、片頭痛予防に対するメラトニンの役割を評価し、標準療法およびプラセボと比較したメラトニンの有効性および副作用プロファイルを明らかにするため、システマティックレビューを実施した。Cureus誌2024年10月28日号の報告。

 2024年6月までに公表された研究(英語または英語翻訳、ヒト対象、ランダム化比較試験)を6つのデータベースより検索し、関連文献735件を特定した。データの品質評価には、ROB-2評価ツールを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・適格基準、品質評価を満たしたランダム化対象試験7件(1,283例)を分析に含めた。
・すべての研究において、メラトニンまたはアゴメラチン治療を行った片頭痛患者であり、従来の予防治療群またはプラセボ群との比較が行われていた。
・レビューの結果、メラトニンは、片頭痛の頻度および重症度の軽減に対する有意な効果が示唆された。
・用量依存的な作用およびベネフィットについては、以前として議論の余地が残った。
・メラトニンは、体重管理にも役立つ可能性があり、追加研究の必要性が示唆された。

(鷹野 敦夫)