中外製薬は、抗CD20/CD3二重特異性抗体モスネツズマブ(商品名:ルンスミオ)について、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を適応として、2024年12月27日、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを発表した。
モスネツズマブはCD20/CD3に対するT細胞誘導性二重特性抗体で、高い奏効割合と持続的な寛解が期待できる。治療期間は患者の治療効果に応じ、約半年または1年間と設定されている。
今回の承認は、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発/難治濾胞性リンパ腫患者を対象に実施した国内第I相臨床試験の拡大コホート(FLMOON-1試験)および、同患者集団を対象とした海外第I/II相臨床試験の成績に基づいている。
FLMOON-1試験は19例の日本人患者に対して行われた。主要評価項目である独立評価機関評価による完全奏効(CR)割合は68.4%を示し、主な副作用はリンパ球数減少、サイトカイン放出症候群、ALT増加、好中球数減少およびAST増加、インフージョンリアクションであった。海外第I/II相臨床試験は90例の患者に対して行われ、主要評価項目である独立評価機関評価によるCR割合57.8%を示し、主な副作用はサイトカイン放出症候群、発熱、疲労、そう痒症、好中球減少および低リン血症であった。
(ケアネット 細田 雅之)