うつ病は、長期にわたる薬物療法を必要とすることが多く、有病率の高い衰弱性の疾患である。うつ病の薬物療法では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)が一般的に用いられるが、一部の患者では有効性および忍容性に限界がある。最近の研究でも、さまざまな経路を標的とした新しい抗うつ薬の有用性が示されている。パキスタン・Azad Jammu and Kashmir Medical CollegeのAmber Nawaz氏らは、うつ病患者に対するSSRI、SNRI、新規抗うつ薬の有効性、QOL改善、副作用プロファイルを評価するため、プロスペクティブコホート研究を実施した。Cureus誌2024年12月24日号の報告。
対象は、Abbas Institute of Medical Sciences の入院および外来うつ病患者300例。研究期間は、2024年3〜8月までの6ヵ月間。対象患者は、SSRI群、SNRI群、新規抗うつ薬群のいずれかに割り付けられた。うつ病の重症度の評価には、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、QOLの評価には、標準化されたQOLスコアを用いた。各群の比較を行うために、t検定、分散分析(ANOVA)、カイ二乗検定などの統計分析を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・すべての群において、HAM-Dスコアの顕著な低下が認められた。
・新規抗うつ薬群におけるHAM-Dスコアの平均低下が最も高かった(17.2、p<0.001)。
・すべての群において、QOLの改善が認められた。
・新規抗うつ薬群におけるQOLスコアの平均上昇が最も高かった(19.7、p<0.01)。
・軽度〜中等度の副作用発現率は、SSRI群で32%、SNRI群で37%、新規抗うつ薬群で25%であり(p=0.04)、重度の副作用発現率は、SSRI群で6%、SNRI群で5%、新規抗うつ薬群で2%であり、新規抗うつ薬群で最も低かった。
・アドヒアランスは、SSRI群で84%、SNRI群で82%、新規抗うつ薬群で91%であり、新規抗うつ薬群が最も高かった。
著者らは「新規抗うつ薬は、SSRIやSNRIよりも有効性および忍容性が優れ、QOLやアドヒアランス向上に寄与することが確認された。これらの結果は、従来の治療で効果不十分な患者にとって、新規抗うつ薬は代替薬となりうる可能性を示唆している。より長期的な多施設研究により、これらの結果を確認する必要がある」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)