既存の薬剤とは異なる作用機序、より高い有効性および忍容性を有する新しい抗精神病薬に対するニーズは大きい。2024年9月、米国FDAは、急性期精神症状を伴う成人統合失調症患者を対象とした3つの二重盲検ランダム化プラセボ対照試験に基づきxanomelineとtrospiumを配合したKarXTを、新たな統合失調症治療薬として承認した。xanomelineは、直接的なドーパミンD2受容体阻害作用を持たない、M1/M4ムスカリン受容体二重作動薬である。このxanomelineと末梢ムスカリン受容体拮抗薬であるtrospiumを組み合わせたKarXTは、xanomeline関連の末梢ムスカリン受容体活性化による有害事象を軽減することが示唆されている。藤田医科大学の岸 太郎氏らは、統合失調症患者に対するKarXTの安全性および忍容性アウトカムを明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2025年1月29日号の報告。
急性期精神症状を伴う成人統合失調症患者を対象とした3つの二重盲検ランダム化プラセボ対照試験のランダム効果モデルペアワイズメタ解析を実施した。
主な内容は以下のとおり。
・KarXTは、プラセボと比較し、すべての原因による治療中止、有害事象による治療中止、シンプソンアンガス評価尺度(SAS)スコアの変化、薬原性アカシジア評価尺度(BAS)スコアの変化、体重の変化、BMI変化、血圧変化、血清総コレステロール変化、血糖値変化、QTc間隔の変化および頭痛、傾眠、不眠、めまい、アカシジア、興奮、頻脈、胃食道逆流症、下痢、体重増加、食欲減退の発生率が同等であった。
・KarXTは、プラセボと比較し、1つ以上の有害事象、口渇、高血圧、嘔気・嘔吐、消化不良、便秘、血清トリグリセライド上昇の発生率が高かった。
・とくにKarXTは有効性に関して、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)総スコア、PANSS陽性症状サブスケールスコア、PANSS陰性症状サブスケールスコアの改善において、プラセボよりも優れた有用性が認められた。
(鷹野 敦夫)