治療抵抗性統合失調症治療薬クロザリルが製造販売承認を取得

提供元:ケアネット

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公開日:2009/04/27

 



ノバルティス ファーマ株式会社は22日、治療抵抗性統合失調症の治療薬として「クロザリル錠25mg/100mg」(一般名:クロザピン)の製造販売承認を取得したと発表した。

クロザリルは、日本で初めて「治療抵抗性統合失調症」の適応症を認められた抗精神病薬。同剤は、2種類以上の抗精神病薬を十分な量、十分な期間投与されたにも関わらず、十分な効果が得られない患者に対する治療薬として、すでに世界97ヵ国で承認されている。

クロザリルは、1969年にオーストリアで最初に抗精神病薬として承認を取得した後、1975年フィンランドで、発売後6ヵ月間で8名の死亡を含む16名の無顆粒球症の発現が報告されたため、各国で販売中止や開発中止の措置がとられ、日本での開発も中止されていた。しかし、その後、既存の抗精神病薬で効果がない患者に対して有効性があることが示され、治療抵抗性の統合失調症に対し、血液検査を義務付けて使用されている。さらに、アメリカ、イギリスなどでは、血液検査の確実な実施と処方の判断を支援する「クロザリル患者モニタリングサービス」(CPMS:Clozaril Patient Monitoring Service、アメリカでは Clozaril National Registry)を導入しています。クロザリルは、このような厳しい安全管理のもと、1975年に発売されて以来、世界で380万患者・年の患者に使われている。

同社は、日本においても無顆粒球症、好中球減少症などの早期発見・早期対処を目的としたCPMSの導入により、厳重な安全管理のもとに本剤が使用されるように推進していくという。

今回の承認にあたっては、CPMSに登録された医療機関、医師、および保険薬局においてのみ、登録された患者に処方がなされるよう、承認条件により義務付けられている。

詳細はプレスリリースへ
http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090422.html