21の臨床試験のメタアナリシスから「レベミル」の安全性プロファイルを確認 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2009/08/27 ノボ ノルディスク社は、持効型溶解インスリンアナログ製剤であるレベミルとNPHインスリンの投与に伴う悪性腫瘍の発生率を比較するため、同薬剤の無作為化比較試験の結果から21の試験を用いたメタアナリシスについて発表した。これは、最近、インスリンアナログ製剤、ヒトインスリン製剤、経口糖尿病薬と悪性腫瘍の増殖の関連性について、レトロスペクティブに観察した疫学研究の結果が、欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌である『Diabetologia』オンラインで発表されたことを受けて行ったもの。それに伴って発表された論説には、これらの最終的な結論は出ていないため、欧州医薬品審査庁(EMEA)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州糖尿病学会(EASD)、米国臨床内分泌学会(AACE)は、研究で得られた結果について、さらなる評価が必要であると述べている。同薬剤は、インスリン受容体に比べたIGF-1受容体への相対的な親和性がヒトインスリンと同程度またはそれ以下であるという要件を満たしたうえで開発された。IGF-1は、細胞増殖に重要な役割を果たす因子で、種々の悪性細胞に発現している IGF-1受容体を介して、悪性腫瘍を増殖させる可能性があるとされている。同薬剤は、承認を取得以降、厳格な安全性監視のモニタリングを行い、現在までに悪性腫瘍の発生率が増大する兆候は認められていないという。今回行ったメタアナリシスでは、同薬剤投与群とNPHインスリン投与群における悪性腫瘍の発生率を比較したところ、両者の間で有意差は認められなかった(同薬剤投与群:100患者年あたり、0.44イベント、NPHインスリン投与群:100患者年あたり0.56イベント、p=0.37、片側検定、正確な2項検定)。また、この発生率を評価するため、悪性腫瘍とインスリン製剤による投与期間を解析したところ、同薬剤投与群とNPHインスリン投与群の間に有意差は認められなかったとのこと(p=0.18、片側検定、正確な2項検定)。同社は、今回発表したデータに基づきインスリンアナログ製剤が悪性腫瘍を増殖させるリスクについて最終的な結論を出すことはできないが、このメタアナリシスから得られた結果は、インスリンアナログ製剤の安全性に関する議論に、新しい情報を提供することになるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_09_25.asp 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前立腺がんの生検、マイクロ超音波ガイド下vs.MRI/超音波融合ガイド下/JAMA(2025/04/09) レンチウイルス抗CD20/抗CD19 CAR-T細胞、再発・難治性マントル細胞リンパ腫で全奏効率100%(第I/II相試験)/JCO(2025/04/09) 「胃癌治療ガイドライン」改訂のポイント~外科治療編~/日本胃癌学会(2025/04/09) ドパミンD2受容体ブロックが初発統合失調症患者の長期転機に及ぼす影響(2025/04/09) 白斑患者はがんリスクが高いのか?(2025/04/09) 医師の喫煙率、男女・診療科で差/日医(2025/04/09) 働き方改革スタートから1年、「変化を感じる」は35%/ウォルターズ・クルワー調査(2025/04/09) 食物繊維の摂取による肥満リスク低下、男性でより顕著?(2025/04/09)