平均的な大腸がんリスクのある人では、マルチターゲット便DNA検査(mt-sDNA)を用いた大腸がん検診は、3年間隔が臨床的に適切なようであるとの研究結果が、「Cancer Prevention Research」2月号に掲載された。
米インディアナ大学のThomas F. Imperiale氏らは、3年間隔でのmt-sDNAの臨床的有用性を検討。解析対象は、医療従事者によりmt-sDNAが適格と判定された大腸がん検診の候補者2,044人(2015年4月~2016年7月)で、mt-sDNA陽性例は大腸内視鏡検査を受け、陰性例は3年間、毎年追跡された。
ベースライン時のmt-sDNAでは、陽性例が13.9%、陰性例が86.1%だった。3年目のintention-to-screen(ITS)コホート(mt-sDNAと大腸内視鏡検査の有効な結果がある591人)では、大腸がんは見られず、進行性の前がん病変は63個検出された(mt-sDNAでの検出は34.9%)。Predictive Summary Index(診断検査の確実性向上の尺度)の値は大腸がんで0%、進行性の前がん病変で9.3%だった。観察した3年間で、大腸がんは予測よりも少なく、進行性の前がん病変は多かった。
著者らは、「今回の研究において、進行性の前がん病変がこれまでの研究結果と一貫した割合で検出された一方で、大腸がんの検出数は予測よりも減少していたことから、mt-sDNAを用いた検診を3年間隔で繰り返すことが、臨床的に適切と考えられるだろう」と述べている。
なお、数名の著者が本研究に資金提供したExact Sciences社との利益相反(COI)に関する情報を開示している。
[2022年12月6日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら