ADHDは神経性無食欲症や大うつ病性障害の独立したリスク因子の可能性

提供元:HealthDay News

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公開日:2024/02/12

 

 注意欠如・多動症(ADHD)は、神経性無食欲症や大うつ病性障害(MDD)などに対する独立したリスク因子であるとする研究結果が、「BMJ Mental Health」に9月5日掲載された。

 アウグスブルク大学(ドイツ)のChrista Meisinger氏とDennis Freuer氏は、ADHDが、7種類の一般的な精神疾患〔MDD、双極性障害、不安障害、統合失調症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、神経性無食欲症、1回以上の自殺企図〕と関連するかを検討するため、2標本ネットワークのメンデルランダム化分析(MR、操作変数法の中で遺伝子変異を使用)を実施した。まず、単変数MRにより、全体効果(どの疾患がADHDと関係するのか)、および交絡または媒介因子となっているものを特定した。次に、多変数MRにより、いわゆる直接効果を計算して、ADHDが直接影響している程度を推定した。

 その結果、ADHDの遺伝的素因は神経性無食欲症と独立して関連していることが分かった〔オッズ比(OR)1.28、95%信頼区間(CI)1.11~1.47、P=0.001〕。MDDとは双方向の関連が認められた(ADHD→MDD:同1.09、1.03~1.15、P=0.003、MDD→ADHD:同1.76、1.50~2.06、P=4×10-12)。MDDで調整した場合、ADHDは自殺企図およびPTSDと直接的な関連を有していた(それぞれ同1.30、1.16~1.47、P=2×10-5;同1.18、1.05~1.33、P=0.007)。一方で、不安障害、双極性障害、統合失調症との関連は認められなかった。

 著者らは、「今回の結果は、ADHDの経過途中において予防あるいは治療すべき精神疾患に関する指針となるもので、ADHD患者を診療している臨床医にとって意義のあるものだ」と述べている。

[2023年9月7日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら