重度ADへのリバスチグミンは高用量が優れる 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/21 重度アルツハイマー型認知症(AD)に対するパッチ剤リバスチグミン(商品名:イクセロン、リバスタッチ)の投与は、高用量パッチ(13.3mg)のほうが低用量パッチ(4.6mg)よりも、有効性に優れ重大有害事象は増大せず、ベネフィット・リスクプロファイルは良好であることが示された。米国・インディアナ医科大学のMartin R. Farlow氏らが行った前向き無作為化二重盲検試験の結果、報告された。CNS Neuroscience & Therapeutics誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。 研究グループは、重度AD患者におけるリバスチグミンパッチ剤の13.3mg対4.6mg(いずれも /24時間)の有効性、安全性、忍容性を検討する、24週間の前向き無作為化二重盲検ACTION研究を行った。ADが疑われる、MMSEスコア3~12の患者を被験者とした。主要評価項目は、Severe Impairment Battery(SIB)、AD Cooperative Study-Activities of Daily Living scale-Severe Impairment Version(ADCS-ADL-SIV)とした。副次評価項目は、ADCS-Clinical Global Impression of Change(ADCS-CGIC)、12項目Neuropsychiatric Inventory(NPI-12)、安全性ならびに忍容性であった。 主な結果は以下のとおり。 ・1,014例の患者がスクリーニングを受け、716例が無作為化され(13.3mg群に356例、4.6mg群に360例)。ベースライン特性および人口統計学的特性は似通っていた。試験を完了したのは、13.3mg群64.3%(229例)、4.6mg群65.0%(234例)であった。 ・結果、13.3mg群は、認知機能(SIBで評価)および身体機能(ADCS-ADL-SIVで評価)について4.6mg群よりも有意に優れていた。16週時点(各p<0.0001、p=0.049)、主要エンドポイントの24週時点(各p<0.0001、p=0.025)ともに有意差がみられた。 ・24週時点の両群間の有意差は、ADCS-CGICについても認められた(p=0.0023)。しかし、NPI-12ではみられなかった(p=0.1437)。 ・有害事象の報告は両群で同程度であった(13.3mg群74.6%、4.6mg群73.3%)。重篤な有害事象も同程度であった(14.9%、13.6%)。 ・以上のように、13.3mg/24時間パッチ剤は4.6mg/24時間パッチ剤よりも、SIB、ADCS-ADL-SIVにおいて有効性に優れること、また有害事象は増大しないことが示され、重度ADにおいて高用量パッチは良好なベネフィット・リスクプロファイルを示した。 関連医療ニュース 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 (ケアネット) 原著論文はこちら Farlow MR et al. CNS Neurosci Ther. 2013 Aug 7. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 低食物摂取アルツハイマー病患者に対するリバスチグミンパッチの有効性 医療一般 日本発エビデンス(2019/04/26) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 神経(2021/04/20) 希少疾病・難治性疾患特集 2021(2021/02/01) クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) 脳血管内治療STANDARD(2020/12/10) 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15)