抗うつ薬による治療後に症状が悪化した患者に対するうつ病治療(抗精神病薬による補助療法を含む)の有効性は十分に検討されていない。米国・カリフォルニア大学のJ Craig Nelson氏らは、抗うつ薬による治療で効果不十分であった大うつ病性障害患者に対するアリピプラゾール補助療法の有効性、安全性、忍容性を検討した。CNS spectrums誌オンライン版2014年3月18日号の報告。
抗うつ薬による治療(ADT)で効果不十分であった大うつ病性障害患者を対象にアリピプラゾール補助療法の有効性、安全性、忍容性を検討した3試験(プラセボ対照二重盲検試験と同様に設計)のデータを利用し、事後解析を行った。研究は、8週間のADT期間と6週間の補助療法期間(アリピプラゾールまたはプラセボ)の2期に分かれていた。本研究では、ADT期間中に症状が悪化した患者に焦点を当て分析を行った。悪化の定義は、MADRS総スコア0%超の増加とした。補助療法期間における治療反応はMADRS総スコア50%以上減少と定義した。寛解はMADRSスコア10以下とした。
主な結果は以下のとおり。
・ADT期間に反応が得られなかった患者は1,065例であった。そのうち症状悪化が認められたのは160例(ADT悪化群)、症状が不変であったのは905例(ADT非悪化群)であった。
・ADT悪化群における補助療法後(エンドポイント)の治療反応率は36.6%(アリピプラゾール補助療法)、22.5%(プラセボ)であった。
・ADT非悪化群における治療反応率は37.5%(アリピプラゾール補助療法)、22.5%(プラセボ)であった。
・また、ADT悪化群における寛解率は25.4%(アリピプラゾール補助療法)、12.4%(プラセボ)であった。
・ADT非悪化群における寛解率は29.9%(アリピプラゾール補助療法)、17.4%(プラセボ)であった。
以上の結果より、抗うつ薬単独療法で効果不十分な患者に対するアリピプラゾール補助療法は有効な介入方法であることが示された。
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