無保険や医療費支払いに関する経済的不安で、急性心筋梗塞発症後のケアに遅れ

提供元:ケアネット

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公開日:2010/04/27

 



医療保険未加入者や、保険に加入はしているものの医療費支払いに関する経済的不安を抱える人は、急性心筋梗塞の発症後、病院に行くまでの時間が遅い傾向があることが明らかになったという。オランダTilburg大学医療・神経心理学のKim G. Smolderen氏らが、急性心筋梗塞で米国内24ヵ所の病院に来院した約3,700人について調べた結果で、JAMA誌2010年4月14日号で発表した。米国で医療保険に加入していない人は4,500万人超に上り、その他に約2,500万人は経済的不安から医療機関への受診を避けていることが報告されている。

無保険者は19.8%、保険加入だが経済的不安のある人は18.5%




同研究グループは、2005年4月11日~2008年12月31日にかけて、急性心筋梗塞で病院に来院した18歳以上、合わせて3,721人について、医療保険加入の有無や経済状況、発症から来院までの経過時間について分析した。

その結果、保険に加入しており医療費に関して経済的不安のない人は、被験者の61.7%にあたる2,294人だった。また、保険に加入しているが経済的不安のある人は689人(18.5%)、無保険者は738人(19.8%)だった。

来院が遅れるリスク、無保険者が約1.4倍、保険加入だか経済的不安のある人は約1.2倍




発症から来院までの経過時間が6時間超だったのは、保険加入で経済的不安のない群では39.3%だったのに対し、無保険群では48.6%、経済的不安のある群では44.6%と高率だった。

一方、発症から2時間以内に来院した人の割合は、保険加入で経済的不安のない群が36.6%、経済的不安のある群が33.5%に対し、無保険群は27.5%と低率だった(p<0.001)。

発症から来院までの遅れについて、経過時間が発症後2時間以内か否か、また発症後6時間以内か否かについての累積確率からオッズ比を求めた結果、発症後の来院の遅れに関する補正後オッズ比は、保険加入で経済的不安のない群に対し、無保険群が1.38(95%信頼区間:1.17~1.63、p<0.001)で、保険加入だが経済的不安のある群が1.21(同:1.05~1.41、p=0.01)だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)