喘息コントロールについて経口ステロイド薬を必要とする重症患者に対して、新たな抗IL-5抗体薬メポリズマブは、有意に経口ステロイド薬の服用を節減し、急性増悪の低下および喘息症状を改善したことが、オランダ・アムステルダム大学のElisabeth H. Bel氏らによる無作為化二重盲検試験の結果、報告された。メポリズマブについてはこれまでに、重症の好酸球性喘息患者において、急性増悪を低下したことは示されていた。NEJM誌オンライン版2014年9月8日号掲載の報告より。
重症の好酸球性喘息患者135例を対象に経口ステロイド薬併用の低減効果を検討
研究グループが行ったのは、多施設共同無作為化プラセボ対照の二重盲検並行比較にデザインした第IV相試験であった。
重症の好酸球性喘息患者135例を無作為に、メポリズマブ(100mg用量)またはプラセボを投与群に割り付け、4週ごとに20週間皮下注にて投与し、ステロイドの節減効果について比較検討した。
主要アウトカムは、ステロイド用量低下の程度で、90~100%減少、75~90%未満減少、50~75%未満減少、0~50%未満減少、または減少せず、喘息コントロール不良で評価した。評価は、20~24週間または治療中止時に行った。
そのほかに、急性増悪、喘息コントロール、安全性の割合についても評価した。
ステロイド用量低下の可能性はプラセボの2.39倍
結果、ステロイド用量低下の可能性は、メポリズマブ群がプラセボ群よりも、有意に2.39倍(95%信頼区間[CI]:1.25~4.56、p=0.008)高かった。
ベースライン時からの割合の減少中央値は、プラセボ群は減少なしであったのに対し、メポリズマブ群は50%(95%CI:20.0~75.0%)であった(p=0.007)。
ステロイド用量が減少したメポリズマブ群の患者について、プラセボ群と比較して、急性増悪の年間発生率は32%減少(1.44対2.12、p=0.04)、喘息症状(喘息コントロール質問票5[ACQ 5]で評価、臨床的に意味のある差は最小で0.5ポイント)に関しては0.52ポイントの減少(p=0.004)であった。
安全性プロファイルは、メポリズマブとプラセボで同等だった。
(武藤まき:医療ライター)