妊娠高血圧症候群後の高血圧リスクの詳細が明らかに/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2017/07/26

 

 妊娠高血圧症候群(HDP)と関連する高血圧症のリスクは出産直後ほど高く、20年以上経ってもリスクは高いままであることが、デンマーク・Statens Serum Institut(SSI)社疫学研究部門のIda Behrens氏らによる同国民対象の登録コホート研究の結果、明らかにされた。HDP妊産婦の最大3分の1が、出産後10年間に高血圧症を発症する可能性があり、著者は「HDP妊産婦について心血管疾患の予防対策として、出産直後からの血圧モニタリングを実施すべきである」と提言している。HDPを有した女性は、出産後に本体性高血圧を発症するリスクが2~4倍高いとされている。しかしHDP妊産婦の出産直後の高血圧症リスクがどれくらい増大するのかは不明であり、また、出産後のリスクの経年変化も明らかではなく、これらの女性の臨床におけるフォローアップのエビデンスはなかった。BMJ誌2017年7月12日号掲載の報告。

デンマーク女性のコホート研究で、10年累積発生率を主要評価
 研究グループは、1995~2012年に初めての出産または死産を経験した女性48万2,972例を追跡し累積発生率の分析を行うとともに、1978~2012年に少なくとも1児を出産または死産した女性102万5,118例を追跡しCox回帰分析で高血圧症の発症について評価した。

 主要評価項目は、出産後高血圧症(薬物療法の必要性で確認)の10年累積発生率で、Cox回帰分析でハザード比(HR)を推算した。

出産後1年未満の発症率は12~25倍、20年経っても2倍を維持
 初産が20代でHDPを経験した女性において、出産後10年間の高血圧症の発症率は14%であった。一方、初産が20代で正常血圧であった女性の同発症率は4%であった。また、初産が40代の同発症率は、HDP経験女性は32%、正常血圧女性は11%であった。

 出産後1年未満では、HDP経験女性の高血圧症の発症率は正常血圧女性の12~25倍に上った。HDP経験女性の高血圧症の発症率は、出産後1~10年でも10倍、20年超でも2倍を維持したままであった。

(ケアネット)