末梢動脈疾患で間欠跛行の有無にかかわらず、トレッドミル運動訓練で運動機能が改善

提供元:ケアネット

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公開日:2009/01/27

 



末梢動脈疾患患者に対し、指導者がアドバイスしながらのトレッドミル運動訓練の実施は、間欠跛行の有無にかかわらず、運動機能改善効果があることが報告された。これまで同運動訓練の効果について、間欠歩行のない末梢動脈疾患に関しては明らかにされていなかった。訓練をした群はしていない群の人に比べ、6分間歩行や、トレッドミルの最大歩行時間などで、有意な改善が見られた。米国Northwestern大学のMary M. McDermott氏らが明らかにしたもので、JAMA誌2009年1月14日号で発表した。

末梢動脈疾患156人にトレッドミル運動と下肢負荷運動を実施




同氏らは、末梢動脈疾患の患者156人を無作為に3群に分け、一群には指導者付きのトレッドミル運動訓練(トレッドミル群)を、別の群には指導者付きの下肢負荷運動訓練(負荷運動群)を行った。さらにもう一群は、コントロール群として何も行わなかった。

試験期間は2004~2008年、追跡期間は6ヵ月。第一アウトカムは、6分間歩行と簡易身体能力バッテリースコアだった。

6分間歩行でトレッドミル群は35.9m改善




その結果6分間歩行については、トレッドミル群はコントロール群に比べ、35.9m(95%信頼区間:15.3~56.5、p<0.001)改善した。負荷運動群は同12.4m(-8.42~33.3)だったものの、有意差は見られなかった(p=0.24)。

簡易身体能力バッテリースコアについては、いずれの群にも有意差は見られなかった。

上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(FMD)について見てみると、トレッドミル群はコントロール群に比べ、1.53%(95%信頼区間:0.35~-2.70%、p=0.02)改善した。

さらに、最大トレッドミル歩行時間は、トレッドミル群はコントロール群に比べ、3.44分(95%信頼区間:2.05~4.84、p<0.001)増え、歩行障害質問表の距離の項目では10.7、またQOLの評価であるSF-36 PFスコアも7.5、いずれも有意に改善した。負荷運動群もコントロール群に比べ、最大トレッドミル歩行時間で1.9分(同:0.49~3.31、p=0.009)、歩行障害スコアの距離の項目で6.92、同階段を上る能力で10.4、SF-36 PFスコアで7.5、いずれも有意に改善していた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)