コンピュータ断層(CT)コロノグラフィーによるハイリスク群に対する大腸がん検診について、その陰性適中率は96.3%と高いことがわかった。一方、陽性適中率は、61.9%だった。平均的大腸がんリスクの集団に対する、CTコロノグラフィーによるスクリーニングは認められてきているが、ハイリスク集団については、その精度について情報が不足していたという。イタリアInstitute for Cancer Research and TreatmentのDaniele Regge氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年6月17日号で発表した。
6mm以上の腫瘍に関する感度85.3%、特異度87.8%
Regge氏らは、2004~2007年にかけて、イタリア11ヵ所の医療機関で検査を受けた、計937人について分析を行った。被験者は、一親等に進行がんの家族歴、本人に大腸腺腫の病歴、または便潜血検査で陽性のいずれかの、ハイリスク集団だった。研究グル-プは被験者に対し、CTコロノグラフィーと大腸内視鏡検査の両方を、同じ日に行った。
その結果、CTコロノグラフィーによる検診で、6mm以上の腫瘍を検出できたのは、177人中151人だった(感度85.3%、95%信頼区間:79.0~90.0)。逆に腫瘍のない人を陰性と正しく判断したのは、760人中667人だった(特異度87.8%、85.2~90.0)。
便潜血検査陽性グループでは陰性適中率は84.9%と低率
また、陽性適中率は61.9%(95%信頼区間:55.4~68.0)で、陰性適中率は96.3%(94.6~97.5)だった。ただし、ハイリスク群のうち便潜血検査で陽性だったグループについては、陰性適中率は84.9%(76.2~91.3)と有意に低率だった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)