高齢者のQOL低下に深く関わる「うつ」

提供元:ケアネット

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公開日:2012/08/14

 

 高齢になればなるほど、生活の質(QOL)が低下することがわかっている。とくに認知症患者では、顕著なQOL低下をきたす。Weiss氏らは各ステージのアルツハイマー型認知症(AD)患者、軽度認知障害(MCI)患者、健常高齢者のQOLを評価し、高齢者におけるQOLの予測因子についてうつ病など気分障害が関与していることを報告した。Neuropsychiatr誌オンライン版2012年7月27日号の報告。

 対象は健常高齢者23名、MCIと診断された高齢者24名、軽度AD28名、中等度AD17名からなる高齢者92名。QOLはSF36(包括的QOL尺度)を用い評価した。

主な結果は以下のとおり。

・健常高齢者または中等度ADでは、MCI、軽度ADと比較し、良好なQOLを示した。SF36の尺度のうち、全体的健康感、活力、日常役割機能、心の健康の認知において有意な差が認められた。
・うつ病とSF36のすべての尺度の間に、有意な負の相関が認められた。
・気分は、認知機能低下の段階において、高齢者のQOLの強力な予測因子であると考えられる。

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(ケアネット 鷹野 敦夫)