神経ステロイド減量が双極性障害患者の気分安定化につながる? 近年、臨床および前臨床研究から、GABA受容体作動性神経ステロイドの量的変動と気分障害の病態との関連性が明らかになりつつある。イタリア・カリアリ大学のMauro Giovanni Carta氏らは、これまでに報告された基礎的ならびに臨床的研究をレビューし、神経ステロイド量の減少が気分障害の悪化に関連しており、神経ステロイド量の是正/増加が気分安定化につながる可能性を示唆した。Behavioral and Brain Functions誌オンライン版2012年12月19日号の掲載報告。
認知症患者へタブレットPC導入、その影響は? 直感的なインターフェースであるタブレットPCの導入と使用は、早期認知症の人の日常生活に役立つ可能性があり、彼らに余暇活動や社会的つながりのためのソースを提供しうる。また、介護者の負担軽減やケアに必要な注意を提供することも可能である。しかし、認知症の人や介護者がタブレットPCを利用することはほとんどないと予測される。オーストラリア・フリンダース大学のFabian S Lim氏らは、早期認知症の人におけるタブレットPCのユーザビリティーと介護の負担に関して検討した。Gerontology誌オンライン版2012年12月18日号の報告。
化粧品に含まれる防腐剤メチルイソチアゾリノンへのアレルギー患者が急増 近年、化粧品やスキンケア製品などに防腐剤として使われるようになっているメチルイソチアゾリノン(MI)へのアレルギー反応を示す患者が急増していることが、ドイツ・エアランゲン・ニュルンベルク大学のJohannes Geier氏らにより報告された。MIとメチルクロロイソチアゾリノン(MCI)を合わせた感作頻度は、1998~2009年の間は常に約2.1%(ドイツIVDK統計)であったが、2011年に3.9%に増大したという。Contact Dermatitis誌2012年12月号(オンライン版2012年9月21日号)の掲載報告。
MDMA誘発の高熱にメマンチンが有用?:自治医大 自治医科大学精神医学教室教授・西嶋康一氏ら研究グループはラット試験の結果、違法ドラッグ3,4-Methylenedioxymethamphetamine (MDMA)が引き起こす可能性がある致命的ともなりうる高熱に対し、メマンチンが有用である可能性が示唆されたことを報告した。Neuroscience Letters誌2012年12月7日号(オンライン版2012年11月6日号)の掲載報告。
エパデール、スイッチOTC医薬品の製造販売承認を取得 持田製薬は昨年12月28日、医療用医薬品として製造販売している高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」(一般名:イコサペント酸エチル、EPA)について、同日付でスイッチOTC医薬品として製造販売承認を取得したと発表した。
雪下ろしによる転落外傷、記録的な大雪に見舞われた2010年冬からの教訓 2010年冬にフィンランドでは記録的な大雪に見舞われ、とくに南部地方で雪下ろしのために屋根に上った人の転落外傷が例年にない規模で発生したという。ヘルシンキ大学病院のM. Aulanko氏らは、その発生状況と大学病院で行われた処置およびコストなどについて解析した。Scandinavian Journal of Surgery誌2012年第4号12月15日号の掲載報告。
有棘細胞がん、ケラトアカントーマをダーモスコピーで見分けるコツ 有棘細胞がん(SCC)とケラトアカントーマを、ダーモスコピーによって他の非着色皮膚病変と見分けるには、ホワイトサークル、ケラチン、出血斑が手掛かりとなることを、Cliff Rosendahl氏らがオーストラリアのプライマリ・ケア設定での試験の結果、報告した。Archives of Dermatology誌2012年12月号(オンライン版2012年9月21日号)の掲載報告。
不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは 不眠症の人にはリラクゼーショントレーニングが推奨されるが、実際にどのように利用されているのかは明らかとなっていない。米国・ハーバードメディカルスクールのSuzanne M. Bertisch氏らは、不眠症の米国成人が、どのようなリラクゼーション法や補完代替医療(CAM)を利用しているのかについて、全米調査の結果を解析した。Journal of Clinical Sleep Medicine誌2012年12月15日号の掲載報告。
ニンニク摂取は大腸がん発症リスクを下げるのか? 実験的研究では、大腸がん発症に対してニンニクの摂取が有益であることが示唆されていたが、今回、米国ハーバード公衆衛生大学院のShasha Meng氏らは、前向きコホート研究で大腸がん発症率とニンニク摂取の関連を評価した。その結果、大腸がん発症に対するニンニク摂取やニンニクサプリメントの使用による影響は認められなかった。Cancer Epidemiology誌オンライン版2012年12月19日号に掲載。
整形外科手術が不満足となるリスク、労災患者は2.08倍 整形外科手術結果について、労災対象患者は非労災対象患者と比べて、不満足となるリスクが倍増することが、メタ解析の結果、示された。ブラジル・サンパウロ連邦大学のVinícius Ynoe de Moraes氏らによる報告で、以前のレビューでも、整形外科のアウトカムは労災補償の有無に強く影響を受けることが示されていた。しかし、レビュー対象論文の方法論がさまざまで、関連性が誇張されている可能性があったという。PLoS One誌オンライン版2012年12月5日発表の報告。
境界性パーソナリティ障害患者の症状把握に期待!「BPDSI-IV」は有用か? 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、患者の機能的能力を低下させる深刻な疾患であり、医療経済的な損失が大きい。BPDの症状を短期的に評価でき、臨床評価や治療アウトカムの研究に適用可能な信頼性と妥当性が担保されたツールが求められている。フィンランド・オウル大学のLeppänen Virpi氏らは、BPD患者の重症度を評価するために、BPDSI-IVが有効であるかどうかを、フィンランドにおいて初めて検討した。Nordic journal of psychiatry誌オンライン版2012年12月11日号の報告。
難治性慢性腰痛患者への高頻度SCS、6ヵ月時点で74%が改善を報告 難治性の慢性腰痛患者に対して、高頻度の脊髄電気刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)は、70%以上で腰痛および下肢痛の軽減を有意かつ持続的にもたらすことが報告された。とくに感覚異常がなく達成され、患者は身体障害や睡眠に関する有意な改善も認められた。
最も多い皮膚科医への患者のクレームは「がっかり」 皮膚科部門に関するクレーム調査の結果、病院の中では皮膚科部門への訴えの割合は低いが、クレーム自体は増加しており、その背景には患者の要求および権利意識の高まりがあると、ポルトガル・Hospital Santo Antonio dos CapuchosのJoana Cabete氏らが報告した。
百日咳ワクチン対策の「コクーン戦略」は限界がある? オーストラリア・シドニー大学のK.E. Wiley氏らは、小児ワクチン戦略の「コクーン(繭)戦略」に関して、生後6ヵ月未満の年少の乳児における百日咳の感染源を調べ、接種対象者についてエビデンス情報のレビューを行った。コクーン戦略は、ワクチンが疾患等により接種できない小児の代わりに、近親者に接種を行い繭に包まれた状態として感染を防御するというものである。
漢方薬の服用経験者は7年前より2倍以上に増えている クラシエ薬品が21日、全国の20代~60代の男女560人を対象に実施した「漢方薬」に関する意識調査の結果を発表した。調査は2012年12月6~7日、インターネット上で行われた。
レベチラセタムは末梢性の鎮痛・抗浮腫作用を示す セルビア・ベオグラード大学のRadica M. Stepanovic-Petrovic氏らは、ラット炎症性疼痛モデルを用いて、レベチラセタムの末梢局所における鎮痛・抗浮腫作用とその作用機序について検討した。その結果、レベチラセタムはオピオイド受容体、アドレナリン受容体、アデノシン受容体、5-HT受容体を介して末梢性の鎮痛作用を示すことが明らかになった。Anesthesia & Analgesia誌2012年12月号(オンライン版2012年11月9日号)の掲載報告。
統合失調症治療にニコチン作動薬が有効である理由とは? 米国・Western New York Stem Cell Culture and Analysis CenterのM.K. Stachowiak氏らは、マウス試験の結果、FGF受容体シグナル伝達の変異が統合失調症に結びつく発達異常の中心的な役割を果たしており、統合失調症の治療についてニコチン作動薬が有効であることを示唆する知見を得た。Schizophrenia Research誌オンライン版2012年12月8日号の掲載報告。
小児急性胃腸炎動向からみえたノロウイルスワクチン開発の鍵 長崎大学大学院のHoa Tran TN氏らは、小児(18歳以下)の急性散発性胃腸炎におけるノロウイルス遺伝子型分布を明らかにするため、2000年以降の発表論文のシステマティックレビューを行った。その結果、直近10年でGII.4、GII.3が大勢を占めるようになっており、その背景には世界的なGII.4変異型の出現があること、またノロウイルスはロタウイルス感染胃腸炎の減少と相反する形で小児急性胃腸炎での重要度を増している傾向が認められることなどを報告した。
中等度~重度のにきび、家族歴、BMI、食生活が影響? イタリアのAnna Di Landro氏らGISED Acne Study Groupは、にきびの原因には、遺伝的要因と環境的要因が関与している可能性があるとして、思春期および若年成人を対象に、それら要因と中等度~重度にきびリスクとの関係について調べた。その結果、家族歴とBMI、食事内容が中等度~重度にきびのリスクに影響を与えている可能性が示されたと報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2012年12月号の掲載報告。
中年期の広範囲の慢性疼痛リスク、少年期の知能指数1SD低下につき1.26倍上昇 精神的因子は、慢性疼痛に関わる因子の一つと考えられていることから、英国・サウサンプトン大学のCatharine R. Gale氏らは、中年期の慢性疼痛について、少年期の知能との関連について調査した。その結果、少年期知能指数が低値になるほど中年期の慢性疼痛リスクは上昇すること、そのリスク上昇は、BMIが高いほど、また社会経済的階層が低くなるほど有意であることが明らかになったという。Pain誌2012年12月号の掲載報告。